フィリピンの田舎でホ-ムステイ【第3弾】
今回は3部構成の最後に農村での一日について綴りたいと思います。
フィリピンでは4~5月はかなり暑く夏休み期間として学校は休みである。
そのため一日中元気な子ども達と時間を過ごす事となった。
午前
6am:起床。母は朝6時前には起床し朝食を準備。中にはお手伝いをする子どもも。
7am:朝食。パンに焼きそばやソーセージを挟んだホットドック風。
8am:近くの井戸へ行き水汲み。こちらは子どもがお手伝いで数人で20Lの重いタンクを専用自転車で運ぶ。
フィリピンではいたるところにバスケットリングがあり、合間にバスケをすることに。
9am:水汲みを終え、井戸水でのシャワータイム。
日本では一般的に寝る前に入浴するが、フィリピンでは起床後にシャワーを浴びる。
夜も暑く起床時に汗だくであるため、寝る前に浴びても、結局、起床後にシャワーを浴びるためであると思う。
10am:塩田の作業。暑い中、塩を収穫。
11am:子どもが集まってパソコンでアニメや映画を鑑賞したり、ゲームで遊んだり。
午後
12pm:昼食。魚となす炒め
1pm:昼寝。暑さがピークのため外にはほとんど出ることは無い。
2pm:母と買い物。近くのスーパーに小売用の雑貨や夕食用の食材の買出し。
3pm:鬼ごっこ。暑い中、疲れ知らずの子どもたち。
4pm:お祈り。日本における夏休み限定のラジオ体操のように、毎日、子どものみが集まってのお祈りタイム。フィリピン人はほとんどの国民が宗教を持っており、キリスト教が9割を占めている。そのため、幼児教育の段階から、自然とキリスト教の教えが組み込まれている。
5pm:お菓子タイム。お祈り後にお菓子としてチョコとご飯の雑炊のような食事が振舞われた。こちらは正直口に合わず食べきることが出来なかった。
家に帰ると、別のお菓子?(スパゲッティ)が待ち受けていた。
机に乗ってまでガッツク子どもの食欲には驚くばかりであった。
7pm:夕食。父が帰宅し、子どもが誕生日だったこともあり、豪華に鶏肉料理でお祝い。
ホームステイ先の小売店は8時~22時営業であるため、夕食時にもお構いなくお客さんが・・・笑
9pm:くつろぎタイム。夕食後はパソコンやテレビ、談話など自由時間
10pm~11pm:就寝。暑いため扇風機を準備してもらう。
私自身、自分のパソコンに24時間以上触らないという時間を過ごしたのは数年ぶりであり、かなりリフレッシュできた1日であった。日常のストレスや仕事のことを忘れる良い機会であると改めて実感。
農村でのホームステイに興味のある方は是非ご一報ください。
フィリピンの田舎でホ-ムステイ【第2弾】
第2弾としては、農村における生計事情についてまとめる。
フィリピンにおける一般的な仕事としては、個人タクシー/乗り合いタクシー(ジプニー)のドライバー、建設業、レストランスタッフなどがあり、月給は約10,000円~20,000円程度である。
一番大きな支出は食費だが、実はフィリピンの電気料金はかなり高く単価(kwh)は日本とほとんど変わらないのが実情だ。
理由はいくつかあるが、よく指摘される原因の1つが盗電であり、盗電による損失が電気代に加算されている。
結果、月に1,000円~3,000円と実に一般的な収入の10%以上を占めている。
そのため、一般的な月給だけでは、食費、電気代、携帯代、学費(教科書代や制服代)などを賄うのは難しく、多くの家庭では副業として、ネットカフェ、お菓子や日用品などの小売、石炭販売などを行う。
農村に住む人々が従事するいくつかの仕事について紹介する。
①道路や家の建設業(本業)
一般的に日給800~1,000円程度。かなりの肉体労働であり、常夏のフィリピンでは一層大変な仕事である。ホームステイ先の父は当建設業の会社で働いている。ホームステイしていた日は残業があったようで帰宅は20時前であった。
当業務の特徴は肉体労働であり、従事している人はほとんどの人が筋骨隆々である。
(出勤前にバイクを丹念に磨く父)
②外食店スタッフ(本業)
フィリピンで外食といえば、ファーストフードのJollibee(ジョリビー)でありマクドナルドより知名度/人気が共に高い。年商3,000億円ほどであり、国内店舗数は880と マクドナルド(約450)の2倍近く。マクドナルドがトップを取れない世界で数少ない国の一つと言われるほどである。(2015年時点)
また、Mang Inasal(マン・イナサル)と言う、ご飯が食べ放題のバーベキュー料理店も国内店舗数が459と2位の有名外食店である、
私の友人がMang Inasalで2年ほど働いており、実際の勤務状況について聞いてみた。
彼は厨房にて串に刺さった鳥を焼く一番熱くて危険な仕事を行っている。2年と比較的長い間働いているため、店内での影響力が高まってきており、店内異動を申し出ているそうだ。
勤務形態に関して、週休1日制で昇給は無く、日給は勤務スタート時と変わらず700円ほどだそうだ。日本で言うアルバイトのような勤務形態である。そのため、月給は15,000円ほどである。
③ネットカフェ(副業)
農村においてもネットカフェがありインターネットが使用できる。
主なユーザーは実は子供(6歳~15歳)である。
用途としては、FACEBOOKのようなSNSやYOUTUBEでアニメや音楽を聴く、アプリでゲームをするなどである。
(YOUTUBEのアニメに夢中)
5分/2円程度で売上げの40%が事業者の収入となり、売上げの60%がパソコン、必要な資材(机や椅子)、通信料金の提供者である投資家の元に渡る仕組みである。
電気代は事業者が負担するため、実際の手取りは売上げの40%以下となる。
事業者のメリットとしては、専用アイテムを使用することで無償でインターネットを使用することが出来る。
ホームステイ先の父は子供が寝静まった後でもゲームに夢中であった。
月によってのばらつきは大きいが、月に1,000円~3,000円の収入となる。
④サリサリストア(副業)
サリサリストアとは、農村でのコンビニのような小売店である。
ジュースやビールなどの食品から、洗剤、タバコなどの日用品を販売している。
仕入先は実は市内の「スーパーマーケット」である。
そのため、スーパーマーケットよりも割高で販売されている。
農村の人々が割高にもかかわらず購入する大きな理由は小分け単位での購入である。
お菓子であれば飴一粒から、タバコであればスティック1本から購入可能。
ホームステイ先の家ではお菓子や日用品などの小売も同時に行っている。
しかし、ホームステイ先の母が言うには、大した収入にはなっていないとのこと。理由は、家の子供がお菓子を自由に食べているため、利益は家庭内消費でほとんど消えているようである。
上記以外にもフィリピンでメジャーな仕事はジプニー(乗り合いタクシー)など種類は多々ある。しかし、お気付きの通り一般的な収入では家計を成り立たせるには不十分であり、いくつかの副業を行うことが必須である。そのため、フィリピン人口の1割以上の人間が海外へ出稼ぎへ行き、送金で家計を成り立たせる家も多いのは事実である。
結果、海外からの送金額のGDP比は10%を超えており東南アジアではNo.1であるのも納得できる。
次回は、農村生活の1日について綴りたいと思う。
フィリピンの田舎でホ-ムステイ【第1弾】
今回はゴ-ルデンウィークの休暇を利用して、フィリピンのパナイ島にある農村にてホームステイしてきました。
そんな農村での暮らしに関して3部にわたって綴ります。
第1部は農村における水事情についてまとめてみた。
農村においては大きく分類して三種類の水が存在する。
①飲み水
一般的に20Lサイズのポリタンクを各家庭にて購入する。
こちらは主に飲み水として利用するため、基本的には小さなペットボトルに移したり、直接コップに注いだりして飲む。
価格は300円/20L程度であり、最低賃金(700円/日)の半額程度である。
②井戸水
村にいくつか存在しており、ポンプ装置を使用して人力で水をくみ上げる。
よく子供たちが朝にお手伝いとして行う仕事である。
基本的に、20Lタンクに汲み、数個のタンクをまとめて専用の自転車で運ぶ。
こちらはかなり重いためやや大変な作業である。
試しに持ってみたが、成人男性でも重いと感じるレベルであった。この水は主に炊飯など料理に利用するための水である。
③雨水
雨水を貯める井戸やタンクが存在し、バケツで直接くみ上げる。
こちらは1つの家族で一つ以上所有しており、シャワーとしてはもちろん、食器や衣類の洗浄、トイレに用いる。
雨水であるため質は低いが、使用量としては一番多い水である。
また、一般的な活用法ではないが、天日干しにより塩を得て販売する方法も存在。
こちら特定の場所にて水をまき、天日で乾燥させ、塩を収集。
暑い中、大変な作業にもかかわらず。二束三文の売り上げにしかならずたいした収入源にならないのが実情である。
日本ではほとんどの家庭にて蛇口を一ひねりするだけで得られる一定品質の水が、同じ水と言えど入手法と用途がそれぞれ異なる点は農村ならではである。
次回は、農村の家庭における生計について綴りたいと思う。
フィリピンの田舎と都市【第2弾】
第2弾としては、首都マニラにおける野菜の市場についてまとめる。
首都マニラは人口1000万人を超える巨大都市であり、人口密度については東京の4倍と車の交通渋滞が日常問題となっている。
そんな、世界を代表する都市における野菜の価格とニーズについて調べた。
- ショッピングセンター(SM city)
有機リーフレタス:160円/パック(110g)⇒1200円/kg
キャベツ 140円/玉(540g)⇒270円/kg
結球レタス:780円/kg
白菜 190円/株(850g)⇒220円/kg
⇒田舎では、リーフレタスが2210円/kgで販売されていたため、価格は半額と都市の方が比較的安く購入可能。
- 八百屋(地方市場)
品質は高くないが、価格はスーパーの7掛けほどであり。地方市場は庶民向けである。
生産者が、地方市場に卸すメリットは野菜納入後すぐに八百屋より現金が支払れるため資金回収が早い。
一方で、スーパーは高単価ではあるが、売れ残りなどは供給側がリスクを持つため、商品販売後実際に入金されるのは1か月以上先。また契約は3か月ごとの更新であり、スーパー側から厳しい要求もでるようである。
- レストラン調査@ピザハット
島が異なっても値段は統一されている。
シングル(1人用) 220円/150g
家族用(4人用) 740円/350g
※使用されているレタスはロメインレタスのみ
シーザーサラダ サウザンサラダ
実際に試食したところ、ドレッシングが大量に使われているためレタス本来の味はない。
品質に関しては、葉のまわりが茶色に変色しているレタスも多々見られたため、ドレッシングでごまかしているように感じられた。
普段は鶏肉と魚をメインにご飯を食べるが、サラダを好むフィリピンもかなり多く、ぜいたく品のようなポジションであるとのこと。
例えば、中階級の家族が休日に家族でランチするときに特別にオーダーすることが多々ある。
今回は都市(マニラ)における野菜の市場について調査したが、結論としては都市の方が葉物野菜は安く販売されている。
人口が集中しており、消費量も多いため輸送コストなどが安く抑えられるためかと考えられる。
また、国全体として暑い気候であるため、葉物野菜を生産できる場所は限られているため、供給もそこまで多くない。
これでは、農村に住む人がレタスを食するのは珍しいことも納得できる。
フィリピンの田舎と都市【第1弾】
今回は、3年ぶりに5泊6日で行ってきたフィリピン旅行に関して2部にわたって綴ります。
フィリピンの都市と田舎における野菜の市場を調べてきた。
第1部は田舎における野菜の市場についてまとめる。
場所はパナイ島と呼ばれる、首都マニラから飛行機で1時間(600km)ほどのところへ訪問した。
田舎といっても、SM cityやRobinsons Mallsというフィリピンの企業が運営する大きなショッピングセンターが多数存在。
(建設中のビジネス・パーク)
さらに、主要道路に関してもかなり整備されており、移動はジプニーと呼ばれる乗合いの車でほとんどの場所に移動できる。
(ジプニー)
今回は、中流~上流層が主に利用するショッピングセンター内の野菜の市場価格について調査した。
リーフレタス:170円/パック(70g)⇒2210円/kg
結球レタス 140円/玉(100g)⇒(1430円/kg)
バジル 100円/パック(60g)⇒1690円/kg
いちご 800円/パック(350g)⇒2540円/kg
お気付きの通り、日本人の感覚からすると葉物野菜の価格はほぼ同等である。
しかし、フィリピンの一般的な所得に対する葉物野菜の価格はかなり高いのが実情だ。
というのも、一般的にフィリピンの物価は日本の1/3~1/5と言われている。
下記、一般的な食材の価格を記載する。(日本の価格)
鶏肉 280円/kg(1,000円/kg)
お米 100円/kg(400円/kg)
ビール 70円/320ml瓶(200円/350ml缶)
一般的な商品価格は日本と比べると、かなり安いことがわかる。
さらに、アルバイトに関しては700~800円/日と、日本の1/10程度の給料しか稼ぐことができない。
※パナイ島の最低賃金は700円/日
そんな一般的な賃金や物価から考えると葉物野菜の高さは極めて高い。
実際に、農村に住む家族にレタスのような葉物野菜に関して聞いたところ、大きさが小さい割に高いためほとんど購入することはないとのこと。
(一般的な家庭料理。ごはん/肉/魚)
実際に食べる場合は、ピザハットのようなレストランに行ったときに特別に食べるぜいたく品のような感覚である。
田舎の一般家庭においては野菜はほとんど食す機会がないことが分かった。
次回は首都マニラにおける食実情について綴りたいと思う。
カンボジア農村に眠る秘宝【第2弾】
第2弾としては、カンボジアの農村に眠る秘宝について綴ります。
眠る秘宝とは少し大げさかもしれませんが、それは「砂糖椰子」(Palm sugar)と呼ばれるヤシの木から取れる砂糖である。
実は低GI食品として既に注目されている。
2007年のフィリピン国家機関の研究発表により、「ヤシの砂糖は血糖値の上昇が緩やかな低GI食品に分類」されている。
※http://www.pca.da.gov.ph/pdf/glycemic.pdf
他の砂糖と比較すると、一般的に使われているブドウ糖の1/3である。
作り方は下記の通りである。
椰子の木にのぼり、花穂の端を切ってその先に竹筒を置いておく
樹液を集める竹筒
樹液を煮沸し椰子の葉を使って形作り完成
そして、気になる価格だが、上図の右から順に
・加工前のペースト状態:186円/箱(約1kg)
・丸く加工したもの:248円/箱(約0.8kg)
・笹状の個包装の容器:46円/本(8個/本入り)
で販売されている。
上記の価格はあくまで農村での現地価格である。
一方でシェムリアップ市街地では笹状の個包装の容器で80円/本(8個/本入り)で販売されており価格が約2倍ほどアップしている。
しかし、販売形態はヤシの葉に包んだシンプルな販売法であり、お土産としては大変工夫がなく質素である。
こちら容器を工夫するなどのブランディングでさらなる付加価値の工場は可能である。
また、血圧が高めの方、糖尿病予備軍の方、ダイエットしている方でも甘いものが好きな人をターゲットとしたスイーツ原料に最適だ。
日本でもネット通販で入手可能であるようなので一度試してみては?
価格: ¥ 1,280 (¥ 3,459 / kg)
http://www.rawfood-lohas.com/coconut_palmsugar.shtml
カンボジアでは下記のオールドマーケットの店で売っています。
カンボジアの市場【第1弾】
約2年ぶりの更新となりました。
今回は、半年ぶりに3泊5日で行ってきたカンボジア旅行に関して2部にわたって綴ります。
私自身、ある会社で植物工場事業の立ち上げに参画しており、シェムリアップにおける米や野菜の市場を調べてきた。
メモ程度ですが、海外におけるアグリビジネスに興味ある方はぜひ参考にしていただければと思う。
お米:55.8円/kg(脱穀前40.3円/kg)
リーフレタス:124円/kg
パプリカ:124円/kg
トマト:155円/kg
レッドキャベツ:248円/kg
スイカ:(大)93円/個、(小)31円/個
お気付きの通り、日本人の感覚からするとお米を筆頭に食材はかなり安い。
しかし、所得に対する食材の価格は日本と比較しても大きく変わるものではない。
下記、カンボジアと日本の「最低賃金に対する米価を比較」してみた。
カンボジア:最低賃金18万9千円(2015年)であるため、年間に米が3,400kg購入できる。
日本:最低賃金170万円(2015年)であり、360円/kg程度でお米を購入できるため、4,700kg購入可能
※時給:888円、8時間/日で20日労働と仮定
ちなみに、リーフレタス:124円/kgで購入できる原料などを調理して提供する市内のレストランでは、サラダセットが372円であった。値段は日本の物価からしても安いものではない。
ここから、原料を加工していかに付加価値を出すかが重要かが分かる。
カンボジアのGDPのうち、15%は国際観光収入が占めており、海外からの旅行者が外貨の獲得に貢献し、経済発展の基盤となっている。
※日本では3%程度
今回は米や野菜などの一般的な食材に関してまとめたが、次回は日本では手に入らない原料について綴りたいと思う。