農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

新たな農業のカタチの実現を目指して「Metagri(メタグリ)」をキーワードに活動

農村で出会ったコオロギ養殖ビジネス【第2弾】

シェムリアップにあるクチャ村(Kchas Village)の民家を訪問した際に、紹介頂いたコオロギ養殖ビジネスについて綴りたいと思う。
個人的にある団体においてコオロギビジネス構築のサポートを行った関係でかなり興味を持っていた分野であった。
そのため、初めて養殖現場を見ることができ、かなり有益な情報が得られた。
 
 
コオロギを食べると聞いて、「えっ」と感じる人は多いと思うが、実は国連食糧農業機関(FAO)が2013年5月に発表した報告書「Edible Insects」において生産面や栄養面においてかなり評価されている。
また、 タンパク質が豊富であり牛肉の代替食糧となる」と欧米などの海外においては話題となっている。
 
簡単な調理をして、提供してくれた。
味付けのおかげもありおいしく、ビールのツマミにピッタリの味であった。
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養殖方法はいたってシンプルで産卵用と養殖用の2種類で分けて大きな手作り箱で飼育している。
前者は採卵用であり 鳴き声が印象的であった。  箱の中に採卵用の器を設置して、卵を収集する。
後者は飼育用であり、残飯や粉末のえさを与えて成虫になるまで1か月程度育てる。
1日3回は餌やりなど面倒を見る必要があるため、夫婦で分担して飼育しているとのことであった。

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       出荷用の飼育箱

 
卵から成虫までに1か月半程度要し、販売時は1箱内のコオロギをすべて出荷する。
今回訪問した家庭の場合、1箱あたり15kg~20kg程度のコオロギが採集できる。
収入としては、1か月に4箱程度を出荷するため、120~160$程度である。
 
ビジネスを始めて4か月ほどであり、今のところ順調とのこと。
既に3回、仲介業者へ販売し収入を得ている。
販売以外でも、家庭における食事としても提供している。
そのため、食糧自給と収入の面で農村における魅力的なビジネスであると感じた。
 
一方でビジネスとして成り立たせるにはいくつかのハードルがあるように感じた。
自分も近い将来、一つの事業としてコオロギビジネスを手掛けたいと思う。

SUSU コミュニティファクトリーを訪問して【第1弾】

2017年12月1日から3泊5日でアンコールワットハーフマラソン出場も兼ねて1年ぶりにカンボジアを訪問した。

2回にわたって今回の訪問録を綴りたいと思う。

 

第1弾はNPO法人かものはしからの独立が決まり、新ブランド「SUSU」の立ち上げから2年弱を経て、新商品の生産に挑み続けるコミュニティファクトリー(CF)について綴る。

 

商品のラインナップとして、バック、ポーチ、サンダルはもちろん、新商品としてパソコンケースなど様々なかわいい商品を作って販路を拡げている。

商品のコンセプトとして「農村の女性たちの成長を応援し、使い手を元気にする商品を作る」を掲げている

※SUSUとはカンボジア語で「頑張って」を表す。

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SUSUブランドを応援したい方は下記のサイトより購入可能です。

http://shop.susucambodia.com/

 

「入学から2年で卒業」を基本理念としており、ものづくりとライフスキルレーニングを通して、CFで働く女性たちの成長をサポートしている。

特に、ライフスキルの向上を重視しており、卒業後、給与が高く、能力が求められるNGOや企業への就職を目指し、様々なトレーニングを提供している。

実績としては、よりハイレベルな職業訓練校、大手外資系工場などが挙げられる。

そのため、5年前に私がCFでインターンしていた時から仲良くしてくれた作り手たちが都市へ出ていき、居なくなっているのは、寂しい反面、嬉しく複雑な気持ちであった。

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            い草の織工程の様子

 

一方で、農村から都市へ移り、生活スタイルが大きく変わることによる課題は女性たちが直面する大きな壁の一つだ。

例としては、家族や友人と離れて暮らすことが耐えられなくなり、CFに戻ることを希望することや、都市の生活を楽しむようになり、会社の提供する寮の門限を守らないことがあるそうだ。

そのため、SUSUのトレーニングスタッフが密に連絡を取って不安を解消するようサポートやCFにおいてライフスキルレーニングに都市の生活のリスクなどを教える機会を組み込むことも考えているとのこと。

 

毎年、訪問する度に、新たな姿を見せてくれるCFは私にとっても大きな刺激であり、学ぶべき点が多々ある。

次にCFを訪問するときはどのような変化が見られるのか楽しみである。

 

次回、第2弾としてCFで働く女性の家を訪問した際に巡り合った「コオロギ養殖ビジネス」について綴りたいと思う。

タイを訪問~持続可能な開発とは~【第3弾】

タイ訪問記の第3弾として、タイの農村を訪問し、起業家と話をする中で持続可能な開発について考える機会があったため、「ソーシャルビジネスの持続可能性」について綴りたいと思う。

 

自分自身の話をすると、 農村での雇用創出のため現職を退職してソーシャルビジネスの立ち上げを考えていた。
その際、事業コンセプトはもちろん、事業計画として、売上や利益の拡大見込みや損益分岐点などを考慮して検討していた。
そうした基準で事業計画を考えると、どうしても商品単価をどうやって上げるか、どうやって売上を増やすか、どんなサービス/商品であれば競合との差別化を図れるかというにばかり目が行ってしまう。
そうすると、机上の空論でとどまり、なかなか前に進めることができなかった。
自分が目指したい事業としては、東南アジアにおける農村での雇用創出が軸である。
一方で、雇用創出実現のためにどのような商品が作りたい、サービスを提供したいという点ではほとんどこだわりはないため、決定打が無く、なかなか前へ踏み出すことが出来なかった。

 

そんな心境の中でツアーに参加し、実際に農村で「FolkCharm」という会社を立ち上げ、事業(ソーシャルビジネス)を運営する起業家(Ms.Pasty)と話をする中で新たな知見を得ることが出来た。

http://www.folkcharm.com/home-1.html

f:id:goldenfish8:20170919143242j:plain                                                      綿の種の取り方をレクチャーする起業家(Ms.Pasty)


まずは起業の背景について聞いてみた。
過去はグローバルに展開するNGOで有給職員として働いていたそうである。
数多くの企業や個人寄付会員、国からの助成金を募り資金が潤沢なNGOであったためか、タイの支社においては、都市バンコクの高層ビルの一角に事務所を構え、移動の際にはタクシーを使うことが常であった。

そのような支援金の使い方や現場を間近で見ることのできない仕事に疑問を持ち始め起業を志したそうである。
起業に踏み切った当初は順風満帆とは言えず、投資家から募った資金の遣い方を誤り全て失ったという経験もしたそうである。

そんな苦い経験をしつつも、起業3年目の現在では月商 200,000THB(60万円強)を超える月もあり、雇用者数は20人以上を実現している。

 

そんな彼女は30歳とは思えないくらい考えがしっかりしており、本当に自分にとって必要なものは何か、自分のコアは何なのかを追及し、不必要なものをそぎ落とし、自分にとってかけがえのない本当に必要なものを探しているそうである。(彼女は英語で「Soul Searching」と表現していた。)

日本語では「足るを知る」という言葉がしっくりきたため、ツアー参加者の中ではいつしかそれが合言葉になった。

 

そんな彼女に、現在行うソーシャルビジネスの持続可能性についてのKPI(売上や利益、損益分岐点などの成果指標)を尋ねてみた。
すると、彼女の口から「持続可能性については売上や利益よりも、もっと大事なものがある」と熱心に語ってくれた。
売上や利益を追い求めるより、まずは事業へ共感してくれる人々を増やし、一人でも多くの心の中に「事業コンセプト」を刻むことが重要である。それは、仮に事業がうまくいかなくなったとしても「事業コンセプト」に共感してくれる人々が、場所や形を変えてその事業コンセプトを継承して新たな事業を起こすため事業は持続していくという考えである。
それは損益や売上などの決算上の指標だけではソーシャルビジネスの持続可能性は測れないということを意味する。
実際に起業し、社長として事業を担う彼女の言葉には説得力はもちろん、事業に対する責任や覚悟が強く感じられた。

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綿の種を取ったコットンを手に笑顔の農村の女性

自分自身振り返ってみると、4年半もの間、民間企業で勤務していたため、事業を立案する際には、決算の肝となる売上や利益率などの指標をもとにソーシャルビジネスの事業計画を練っていた。

しかし、自ら起業を決意できるほど魅力的なソーシャルビジネスの事業計画書を作ることが出来なかった。

結果、2017年9月末をもって現在働いている某メーカー系企業を退職するが、「東南アジアの農村での起業」という選択肢ではなく、外資系のITコンサルティングファームに勤務し、さらなるスキルアップを目指すという結論に辿りついた。

自分としては、ソーシャルビジネスの事業内容に強いこだわりや思い描いているものがあるわけではないため、0→1の起業より、むしろ1→100にしていく事業支援の方が向いているように感じているため、起業という選択をしなかったことは間違いではないと感じている。

 

一方でMs.Pastyのようなソーシャルビジネスを手掛ける起業家は世界には数多くいる。

そのため、今後は、仕事のスキルや自己資金を活用して、ソーシャルビジネスを行う事業のサポートをしていきたいと考えている。

 

そんな中、日本であるNGOと出会い、プロボノ(職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動全般)として活動を開始する予定である。次回は、その団体の紹介や支援内容について紹介したいと思う。

タイを訪問~農村におけるオーガニックコットン栽培・加工~【第2弾】

タイ訪問記の第2弾として、タイの農村におけるオーガニックコットンの栽培と加工の過去と現状について綴りたいと思う。 

 

今回訪問した農村は、東北部にあるルーイ県と呼ばれる地域である。

当地域においては、FolkCharm Co.,Ltdの代表であるMs.Patsyがオーガニックコットンで生産した布を買い上げ、「FolkCharm」というブランドで高単価で販売している。

http://www.folkcharm.com/folkcharm-travels-1.html

FolkCharm Co.,Ltdの活動を学ぶためにMs.Patsyのアテンドのもと視察を行った。

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                   完成品のサンプル

 

まずは訪問した農村の歴史を遡りたいと思う。

30年前は換金作物(Cash Crop)として、トウモロコシ、キャッサバ、ゴムなどの生産を行い、販売する。いわゆるプランテーション(単一作物の大量生産)である。
化学肥料や農薬を積極的に使用し、同一面積における生産量の増加を図っていた。
また、古来種から外来種の作付けで多様な作物の生産が始まっていた。

 

10年前からタイのあるNGOが開発を担うようになり、生産した布の買い上げを行なうようになり、コットンの栽培と加工へシフトしていった。
栽培だけでなく、加工による付加価値の収入もあったため、収入向上には寄与したようであるが、NGOの独占状態となる。

結果、農家は適正価格や最終製品の状態を知らないままNGOの言い値で販売していた。

 

そして、2年前よりMs.Patsyが当農村と出会い、オーガニックコットンの栽培を奨励し、買い取り価格の引き上げにチャレンジするようになる。

※農薬を使わず手間がかかるため原価は上がるが、人体被害と土地への悪影響は抑えられる。

また、最終製品である衣類や小物も積極的に生産者へ共有し、喜びを分かち合う。

その結果、販売先の選択肢を広げることに貢献し、収入とやりがい向上に繋げている。

 

実際に、「糸の紡ぎ」を体験してみた。

とても神経を使う作業であり、油断すると糸が切れてとても時間を要する。

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下記、加工プロセスを図式化したものである。

1ロール40mの布にするまで相当な時間を要する大変な仕事である。

※パートタイムで働く農民が手掛ける場合、長くて3か月かかることもあるそうだ。

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オーガニックコットンの栽培と加工は時間を要し、とても大変な作業であるが、完成品である1ロール40mの布の売り上げから生産者に還元できる給与は一人当たり、6,000THB(2万円)程度である。

月に6,000THBあれば農村においての生活費はこと足りるが、問題は病気などの突発的な支出に耐えられないリスクが潜在することだ。
タイの医療費は物価からみて相対的に高額であり、医療保険に加入していても、負担額は少なくないため、日々、貯蓄を行うことが必要である。

そのため、「農村における持続可能な開発」の実現においては安定した給料はもちろん、貯蓄を促すことや、健康に対する意識を高めるなど、潜在するリスク回避を提供することも必要条件であると感じる。

 

今回は訪問した農村の歴史とにおけるオーガニックコットンの栽培・加工の紹介を行ったが、次回は「農村における持続可能な開発」をテーマに綴りたいと思う。

タイを訪問~10年ぶりのタイとの再会~【第1弾】

2017年8月16日から5日間、HIS主催のスタディーツアーに参加した。
実はタイへ行くのは10年ぶりで、東南アジアを含む海外へ興味を持ち出すきっかけを与えてくれた国である。
 
10年前の夏に参加したスタディーツアー。。。
当時は英語を話すことも出来ず、海外にもさほど興味を持っていなかった大学2年生であった。
1週間のツアーで、ボランティア活動や観光を行うという内容で、何気なく参加した。
一番印象深いのは、山岳民族の住む村での2泊3日のホームステイである。
 
小さい子どもが多く、言葉は伝わらないが、鬼ごっこやハンカチ落しなど、何気ない遊びでとても仲良くなった。
別れのときは涙を流して惜しんでくれた。

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農村においては、物や情報で溢れる日本の都市とはまったく逆で、シンプルな暮らしの中に本当に必要とされる最低限のモノだけで生活をする。
本当に必要なモノのみに囲まれた充実感が新鮮であり、幸せを感じた。

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一方でそんな農村においても課題は大きい。
生活するにはお金が少なからず必要になってくる。農業や手工芸品の販売だけでは生計が成り立たず、 村の若い女性は10代半ばという若さで都市へ出稼ぎへ行く。
学歴が不十分であるため、私たちの考える一般的なアルバイトに就くことは難しく、仕事は宝くじの販売やホテルの清掃。
人によっては売春婦など性産業で働かざるを得なくなる。
そんな現状を目の当たりにして、農村で暮らし続けるという選択肢を持てないことへの疑問を強く感じるようになった。
いままで自分がどれだけ恵まれてきたかを改めて強く実感するとともに、何か自分も出来ることがあるのでは?と感じたことがその後の人生に繋がる。
 
タイとの出会いをきっかけに、東南アジアへ半年ごとに出かけるようになる。
NGOに参加しボランティアをしたり、英語を勉強したり、農村でホームステイをしたり、東南アジアは自分の人生の一部となる。
大学は理系の学部を専攻していたが、大学院においては農村開発学を専攻するためにイギリスへ渡った。
 
そんなきっかけを与えてくれたタイにおいて、10年前と比較した変化を肌で感じるため、今夏HISのツアーを参加することにした。
ツアーの内容としては、「農村コミュニティのサステナブルな開発にチャレンジする女性社会起業家を訪問する」というものである。
 
第2弾では、タイの農村における学びや農村コミュニティでの事業活動について綴りたいと思う。

誕生日にチャリティーイベント?

先週、8月22日に29歳の誕生日を迎えた。
20代最後の誕生日、思い切って、自分の誕生日にチャリティーイベントを実施した。
今回は、そのイベントの内容や開催の背景について綴りたいと思う。

内容としては、場所を貸し切って、食事と飲み物を提供し、参加者から寄付金を募り、集まった寄付金の全額をNGOへ贈るというものである。
イベント中においても、NGOの事務局長様より活動の紹介を行い、活動内容を広める場としても活用頂いた。

日本では、まだまだ寄付の文化は浸透していないが、実は欧米ではチャリティーイベントはよくある。
確かに内容としては怪しく、参加を呼び掛けたときに「ねずみ講では?」と思う方がいらっしゃったのは事実である。笑

チャリティーイベントについて、「寄付を通して自分も相手も良い方向に変わっていく」をコンセプトに実施した。

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寄付先はアフリカのウガンダケニアにおいて、「HIV/エイズによって影響を受ける子どもたちが未来を切り拓ける社会を実現する。」というビジョンのもと支援活動を行うPLAS様という特定非営利活動法人である。
当団体は、友人の紹介で7年前の世界エイズデーチャリティパーティーに参加したことをきっかけに知った。

そして最近、自分自身、お金について悩みに悩んで、もがき苦しむ中でNGO PLAS様への寄付を一歩として、少しずつ良い方向に変わってきた。
※お金についての学びなど、詳しくは別のテーマで綴りたいと思います。

そんなNGO PLAS様への感謝はもちろん、イベント参加者にもそのことを体感してもらいたいという目的でイベントを行った。
イベント内容については手探り感が否めなかったため、全員の方に楽しんで頂けたかは判断が難しいが、お陰様で20名の参加者より合計6万円という大金の寄付を募ることができた。
中には1万円を寄付くださる方も居て、涙が出そうになるほど嬉しかった。
初めて主催するイベントにもかかわらず、快く参加くださった方々、お手伝いをして下さった方々へもこの場を借りて改めて感謝したいと思います。
あっという間でしたが本当に良い経験になり、元気をもらいました、ありがとうございます!
参加頂いたみなさまが今回の寄付や交流を通して少しでも良い方向に変わっていくことを祈っています。

 

やはり寄付と言っても、ギブするだけではなく何らかの形でリターンがあるのだという学びもあった。
私自身のリターンとしては、忙しい平日の夜にもかかわらず笑顔で参加頂いたみなさまからのあたたかい言葉数々である。
最近、色々あって、毎日悩むことが多いのですが、生きる糧を頂いた気がします。
「寄付を通して自分も相手も良い方向に変わっていく」という言葉を胸に刻み、今後も色んなチャレンジを行っていきたいと思います。

次回は、10年ぶりに訪問したタイの農村における学びについて綴りたいと思う。

カンボジア訪問記【第2弾】~カンボジア産野菜~

カンボジア訪問記の第2弾として、プノンペンにおける野菜市場について綴る。

 

目次 

 

3つの市場を比べる

今回は3つの市場(一般市場、有機野菜販売店、イオン1号店)について調査した。

それぞれ、価格・品質・売り方が異なっており、それぞれの特徴をまとめる。

①一般市場

プノンペン中央市場に訪問。

簡易的なテントの下で野ざらしで販売する風景は日本ではほとんど見られないが、カンボジアでは主流の販売方法である。

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価格については、日本の1/4~1/5程度である。
リーフ:$1.5/kg(5~6千リエル)
ゴーヤ:$1.0/kg(4千リエル)
パプリカ:$1.5/kg(6千リエル)
トマト:$1.0/kg(4千リエル)
1点、驚いた点としては、全てカンボジア産であることである。 4年前にカンボジアに住んでいた時はパプリカやリーフはタイやベトナムからの輸入が多かった。
最近では国産の野菜が増えている様子。
 
顧客は主にカンボジア人であり、家庭向けやレストラン/ホテルの食事向けに購入。
あるホテルにて当市場から購入した野菜を使ったグリーンサラダ※を食べてみた。
※グリーン/サニーリーフ、ロメイン、きゅうり、パプリカ、トマト、オニオン、オリーブ
価格は外国人向けホテルであるため3.95ドル/プレートと少し高め。
品質について、リーフレタスとトマトは少し鮮度が落ちていたものの、全体的に品質は想定以上であり、納得の価格であった。

有機野菜販売店

3月17日にオープンしたKhmer Organicに訪問。

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 プノンペンから200kmほどあるKoh Kong provincにて野菜を生産。生産方法は伝統的な農法と近代的な技術の組み合わせにより、環境への配慮はもちろんのこと質の高い野菜を安定的に生産できる仕組みを構築。将来的には、有機野菜農家のネットワーク構築を目指している。

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店内はスペースをゆったりとってあり、広々とした印象。

価格はレタスが$0.5/袋(小さい株が数株入り)

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野菜以外に、お米、やし砂糖、野菜の種なども販売。
野菜は比較的安かったため、このような野菜以外の作物で利益を上げている可能性が高いと感じられた。
 

③イオン1号店@カンボジア

2014年6月30日に正式オープン。

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食品はもちろん、多くの専門店や映画館で構成される4階建てのショッピングモールである。
ドリンク、冷凍食品、お菓子など日持ちがする商品については、日本産のものが多く、価格は3~5割増しで販売されていた。
納豆はなんと、300円/3パックで販売。

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野菜については、価格帯に開きがある。
一般なノーブランドのレタスは1ドル/束程度で販売。

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無農薬で国内で生産しているJFP(ジャパンファームプロダクツ)のミックスサラダは

サラダミックス(トマト入り)は$1.3/パックとかなり安い印象。

 

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タイ産の有機栽培のサラダミックスは洗わずに食べられることを売りとしており、$3/袋(100g)とかなり高付加価値で販売。1袋購入して試食したところ、鮮度は多少落ちているが、品質については高く味も美味しかった。特に洗わずに食べられるという点が便利である。

 

 

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まとめ:国産が進むカンボジアの野菜市場

今回はカンボジアプノンペンにおける野菜の市場を調査。

 

 

4年前はタイやベトナムからの輸入が多かったが国産が増えていることが大きな発見である。また、カンボジア産の野菜の品質の高さは想定以上で、生産レベルの向上が感じられた。
一般の市場において、それぞれの野菜の品質や味については大差ないであろうが、イオンなどの小売店では品質と価格に違いがあるため、ターゲットとする消費者に対して訴求方法を変えていく必要があるように感じる。
現段階では売り場に工夫が施されておらず、価格が高い商品の良さが伝わって来ない。

 

今後、高品質の商品を高く売る場合には売り場作りと包装やデザインでの訴求方法を工夫していく必要がある。