就農する前に!【書評】「絶対にギブアップしたくない人のための 成功する農業」
日本国内でイチゴ栽培研修と農業参入に必要なサポートをパッケージで提供するGRA 代表である岩佐さんの書かれた農業本。
イチゴだけでなく、農業経営に必要な知識や農業の現状と未来への考え方を岩佐さん自身の経験から学ぶことが出来、事例も多く非常に分かりやすい。
農業に携わろうと考える方にお勧めの1冊である。
学びとなったポイントをまとめる。
目次
農業を始めるにあたっておさえておくべき6つのポイント
①農業をやる目的:ミッションとして、なぜ自分がやる必要あるのか具体化させる
②生き方:生きるために必要な収入や、時間の使い方の優先度を決め、年間のスケジュールイメージを立てる。
③生産作物:市場のサイズや将来性をもとに作物や作型を決める。
④長期計画:10年計画を策定
⑤資金調達:生産作物と計画に基づいて、必要な資金を自己資本か融資か考える。
⑥人的ネットワーク:上記の実現のために、農家や農業法人や農業資材屋など人的ネットワークを作る。
⇒これらを明確にすれば、失敗する確率は減るとのこと。詳細の考え方は本書に記載。
農協不要論は危険
事業計画の参考
福祉×農業の可能性~緑豊舎@宇部市との出会い~
山口の宇部市に訪問する機会があり、社会福祉法人が運営する農園を訪問した。
管理者の永井さんに事業の概要や想いを語って頂いた。
当事業所は2013年に開所し、基本的には、補助金や助成金ではなく、事業収入で運営費や人件費を賄う。
※元は古民家カフェであったところを改装
就労継続支援B型の施設であるため、A型とは異なり利用者との雇用契約が無い形態での運営である。
利用者総数は33人で、基本的に、皆さん車で通勤して来ているとのこと。
仕事内容は農業や内職や受託業務など複数あり、どの仕事をするかは利用者の選択制に任せているため、利用者のモチベーションは高いとのこと。
※受託業務や内職の内容は受注状況によって変わる。
農業の作業現場を見せて頂いた。
田畑は全て賃貸であり、栽培規模は1.8ha
栽培作物は稲・麦・野菜(年間200種類)と野菜の苗作りであり、販路は直売所やレストランがメイン。
※今後、キッチンカーを活用した販売も検討。
作業内容は玉ねぎの定植作業を実施していた。
玉ねぎの定植は土に植える深さを間違えると全く育たないため、注意が必要である。
圃場には管理者が1人と作業者が4人で作業を実施していた。
管理者として心掛けるべきポイントは、利用者を手助けするのではなく、自立を目的に積極的に仕事を任せる勇気をもつことである
結果的には、当施設においては経験を持つ利用者が新たな利用者に教える雰囲気が出来ているとのこと。
スタッフの手間も減るため、最終的には利用者への還元が実現でき、時給300円程度と一般的な就労継続支援B型の施設よりも高い水準である。
利用者の自立を支援するだけでなく、事業で得た利益を利用者に還元できている緑豊舎の事業モデルは理想形態と感じる。
最近、「農福連携」という言葉をよく聞く。
著書「農福連携が農業と地域をおもしろくする」には、農業と福祉を連携させて上手く事業をする企業が複数紹介しているためオススメの1冊である。
【番外編】退職を決断し、自分自身と見つめあう
タイの農村で農業をやることを決めて、2020年1月に農業ベンチャーに転職したが、3月に自身の入籍のタイミングで日本に一時帰国してから、結局はタイに戻ること無く、完全帰国となった。
きっかけは、3月末にタイとしてロックダウンを実施して、海外からの外国人の受け入れを一旦閉鎖したことである。
やりたいことをやるために、転職したにもかかわらず、このような大きな変化が起こることは予想外であったが、これも一つの運命だと考え、改めて自分が何をやりたかったかを本を通して振り返ることにした。
・ずっとやりたかったことを、やりなさい。
こちら、「モーニングページ」という朝のルーチンが紹介されており、毎朝30分、ただ頭に浮かんだことをA4ノートに書き連ねていくだけで、アイデアが具体化されていったり、縁のある出会いに繋がったりする。
私自身、スタートして70日を経過したが、モーニングページの威力に驚いている。
・世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド
結果としては、10月までは日本からリモートで仕事をしてきたが、11月より個人事業主として独立することとなる。
【番外編】1年間使ってみて実感、スマートペンのすゝめ
最近、大学時代の友人に久しぶりに会って、話をしながらメモを取るときに、スマートペンを使っていると、「そんな手書きでメモする人だったっけ?」とツッコまれた。
確かに、1年前までは紙に書いたデータはどこに何を書いたか把握しきれず、管理が難しいため基本的にメモはスマホやPCでまとめていた。
しかし、あるきっかけにより、紙とペンに逆行することになる。
それは、タイのチェンマイ北部にある田舎で仕事を始めることであり、インターネットが使えるか定かではない環境の場合、ノートとペンは最強という結論により、適したツールを探して購入したという経緯である。
結果として、スマートペンの魅力に取りつかれてしまい、今ではブログの素案作りや仕事における思考の整理など事あるごとに活用しており、なくてはならない存在となっている。
最初はあまり好きではない人と付き合ってみたら、表面では見えてこなかった良さが事あるごとに醸し出されて、どんどん好きになっていくような感覚に近いかもしれない。
メリットは何と言っても、書いたノートをスマホやPCで電子化出来るため、半永久的に残しておくことが出来るため、破れたり、濡らしたり、無くしたりする心配がないことである。また、ノートに書いたデータをタグ付けや文字化できるため、スマホやPCによる検索性が格段に優れている点である。
もちろんデメリットもあるので、下記にまとめてみた。
【番外編】不動産投資のおすすめ本
最近、不動産投資を考えている方に会う機会が多く、自分自身がアパート購入前に勉強し、ためになった本をいくつか紹介します。
①これから勉強をスタートする方にお勧め。
・初心者から経験者まですべての段階で差がつく!不動産投資 最強の教科書
内容イメージ
https://www.evernote.com/l/AQvGcJXduGpKmo4ok_gwGox0QcHAzAfDLIM/
② ①で概要を把握したうえで、収益計算の仕組みを把握出来る本でおすすめ。計算フォーマットもエクセルで入手可能な点もメリット!
・Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて
内容イメージ
https://www.evernote.com/l/AQtzp-Gys6dPqYKWNpYFHx0kh4dv8uC_9TI/
③ 上記を踏まえて、実際にアパートを内見したり業者から紹介を受けた際に、見極める時に押さえておくべきポイントやオーナーになった後に、空室対策や管理方法など具体的なアクションが紹介されているためおすすめ。
・まずはアパート一棟、買いなさい!
内容イメージ
https://www.evernote.com/l/AQuY_DCFtApNmYd-wYaavPMGsqJhgDIBhpA/
④ 番外編的に、不動産投資における裏技的な内容が記載されているため、マニアックな内容を知りたい方におすすめ。
・不動産投資のお金の残し方 裏教科書 税理士大家さんがコッソリ教える
内容まとめ
https://www.evernote.com/l/AQt75e6AOv5KZaFBAqzngjbTNCllaqscjPA/
⑤ 市況的にアパート投資が出来ないからワンルームマンションへの投資を検討している人にぜひ事前に読んで頂きたい1冊。
いちご、感染病を乗り越えて越冬の準備に入る
先週、「蛇の目病」の感染が発覚してから一週間、感染が広がっていないか圃場に状況を確認しに行った。
久しぶりに一週間、雨が降らず、晴れの日が続いたこともあり、新たな感染は無く、元気に育っていた。
株元をよく見てみると、イチゴの新芽が出てきており、順調な生育が確認できた。
新芽が出たという事は、定植から三週間経過し、株が新たな居住地である土壌に慣れ親しんだことを示す。
これから寒くなるため、ロゼット状態を作り、地面にべったりと張り付いたように広がり冬を乗り越えるための休眠状態を作る。
ロゼット状態を作ると、茎をつくるためのエネルギーが節約でき、そのエネルギーを葉や根に回して、光合成によるエネルギーを、子孫を残す栄養補給を可能にする。
今回、露地における高密植栽培のため、注意点として近隣の株同士の葉っぱが重なり、光合成量が減るのを防ぐため、それぞれの葉がバラけていることを確認する必要がある。
一方で、ハウス栽培の場合、冬に休眠状態を作り出してしまうと、クリスマスシーズンの12月にイチゴの需要が急増に応えられないため、特別な栽培方法が必要となる。
それは、ハウス内を暖房機で加温して、休眠状態に入らないよう温度を管理し、電灯を付けて日照時間を長くする。結果、イチゴとしては春と勘違いして実を付けるため、12月のクリスマス需要にイチゴを出荷可能となる。
一方で、休眠しないデメリットとしては、春に近づくと元気が無くなり、休眠の明けた露地栽培のイチゴに比べて収穫量が減る点である。そのため、収量の安定化のためには、いちごの株を春になる前に交換する必要が生じる。
クリスマスシーズンはキロ単価2,500円程度まで上昇するため、その他の時期の一般的な単価1,000~1,500円と比べて2倍程度まで高まっているため、デメリットを勘案しても出荷するメリットがあるという判断である。
今回の栽培は露地における成り行きの環境のため、収穫は5月頃を見込んでいるが、休眠を経たイチゴから何回収穫できるか楽しみである。