農情人:食と農の現地情報を発信

農村に訪れたときの体験記や食・農業について綴る

【書評】「ビジネスパーソンの新・兼業農家論」を読んだ学び

2020年8月28日に発売された、「ビジネスパーソンの新・兼業農家論」を電子書籍で購入。とても学びが多い1冊だったので抜粋して紹介する。
書籍内では、自分の道をひたすら突き進む、全国のアツい想いを持つ農家たちが紹介されているため、就農や田舎暮らしや副業で農業を考えている方にはぜひ一読頂きたい。
 
著者は全国にいる100人以上のプロ農家に会って友だちになり、農業は「楽しい・カッコいい・健康的・儲かる」と良いことづくめである点を認識し、広島で実際に就農。
自身で農地を耕しながら、農産物の加工や販売はもちろん、地域コミュニティづくりにも積極的に励んでいるとのこと。
 
共感や学びがあった内容を抜粋する。
 
目次

都市と農村の関係性

都市⇔農村の暮らしをやってみて「これはまるでサウナと水風呂のような関係性」でどちらも絶対に必要な存在であるということに気づいた。都市というのは、人類が昔から想像してきた未来のカタチなんだろうと思う。対して、農村は人類が忘れてはいけない自然との調和を理解させてくれる場所なんだと思う。
 そして、両方で暮らしてみると「便利さ」と「不便さ」の間に豊かさを感じるようになった。

 

現代では、都市近郊型農業として、住宅街の中で作物を生産する光景もよく見られる。

f:id:goldenfish8:20201002200738p:plain

住宅街での農業
とはいっても、土地は限られており、環境として不適な作物も存在するため、農村での生産は食料自給の観点から欠かせない。そのため、都市と農村はお互いなくしては存続出来ず、自身としても双方を往来しながら、架け橋として持続的に共存できる仕組みを自身として作っていきたい。 

 

 

 

農協の役割とは?

 

農協の存在は、しばらくうまく機能した。九州の片田舎で生産された農作物が、翌日には東京の市場で売り買いされる。
そんなロジスティクスを構築して、国民へ食料を広く安定的に行き届かせた。そしてそれら農作物を生産する農家たちの生産性と暮らしの質を向上させるためあゆるサポートをしてしかし、それはかつて小作人だった農家たちを「生産者」という立ち位置に追いやり、「作ることさえうまくやってくれれば、それ以外のことは考えなくても良いですよ!」という雰囲気を作り出してもいった。

農協は全国配送を実現するための物流や作物の等級を仕分ける役割として、大いに役に立ってきた。

f:id:goldenfish8:20201002201507p:plain

農協の役割

一方で、基本的には相場価格で全量買い取り、手数料8%を差し引いた額を農家へ支払うという、販売に対する努力が不要となる仕組みを作ってしまった。

他のビジネスであれば個人事業として、生計を立てるには、販売活動は必須であるが、農業ビジネスは農協を経由させると、販売活動が不要となるという他業種から考えると異例である。

今でこそ、ECでの直販や、外食チェーンとの契約栽培が増えてきているが、まだまだ、直販の割合は低く、全体の約8割が卸売市場経由での販売である。

食品流通段階別価格形成調査(青果物調査)より

 

直販率を上げることは、手間は増えるが、作物の売り単価を上げたり、経費を下げる努力の余地が増えるため、やり方次第では農家の手取りを増やすことに貢献する。

特に、ポケットマルシェというサービスは生産者と顧客の繋がりを構築する、大きな役割を果たしている。

顧客が生産者と直接繋がりを持ち、生産者から声を聞けることで、食べるだけでなく、収穫までのストーリーも一緒に想像しながら味わえる。特に、子どもの食育には生産の様子を伝えることは有益と考える。

 

大量生産しなくても儲かる仕組みは作れるか? 

0・5haで年商1000万円を基準にする 

本書では、事業計画よりも、「どんな農を目指したいか?」 をシンプルに明確化し、自身の目指す農業のあるべき姿を設定すべきと伝えている。というのも、農業ライフは決まった枠組みや答えはないため、自身で生き方をデザインすることが重要。

自分の場合は、毎朝を楽しみに、日の出とともに起き、新鮮でとれたての食材を家族と友人で分かち合い、食事を楽しむ、自然と調和した暮らしをしたいと考える。

自身の生き方を定義した上で、生計を立てるため、農業としてあまり大きな規模ではない、5,000m2程度の田畑のサイズであっても、1000万円の売上を目標とする事業計画が必要と述べている。

  

これから私自身も著者と同様に様々な農家と出会いながら、自身の農業との関わりをデザインしていきたいと思う。

 

 

 

スマートペンのすすめ

今回、書評を準備するにあたり、「Smartpen」というツールを用いて、専用ノートに手書きでまとめた内容をOCRでデジタル化した。

 

本を読みながらだと、紙に書いた方がまとめやすく、思考も整理でき、全体を俯瞰できる。一方で、まとめたノートを電子化するには、写真で撮影する手間や、文字起こしする手間が発生するが、このツールを用いれば8割の精度※で自動でデジタル化できるのでとても便利である。

(私は字が汚いが、字がきれいな方は9割以上も実現できると考える。)

f:id:goldenfish8:20201107110120p:plain

スマートノートへの手書きでまとめイメージ

思考を整理したり、本をまとめたり、絵を描くのは紙に落とし込みたいが、デジタル化する際の手間が面倒と感じている方にはぜひ一度試してもらえると幸いである。