【書評】「ビジネスパーソンの新・兼業農家論」を読んだ学び
都市と農村の関係性
都市⇔農村の暮らしをやってみて「これはまるでサウナと水風呂のような関係性」でどちらも絶対に必要な存在であるということに気づいた。都市というのは、人類が昔から想像してきた未来のカタチなんだろうと思う。対して、農村は人類が忘れてはいけない自然との調和を理解させてくれる場所なんだと思う。そして、両方で暮らしてみると「便利さ」と「不便さ」の間に豊かさを感じるようになった。
農協の役割とは?
農協は全国配送を実現するための物流や作物の等級を仕分ける役割として、大いに役に立ってきた。
一方で、基本的には相場価格で全量買い取り、手数料8%を差し引いた額を農家へ支払うという、販売に対する努力が不要となる仕組みを作ってしまった。
他のビジネスであれば個人事業として、生計を立てるには、販売活動は必須であるが、農業ビジネスは農協を経由させると、販売活動が不要となるという他業種から考えると異例である。
今でこそ、ECでの直販や、外食チェーンとの契約栽培が増えてきているが、まだまだ、直販の割合は低く、全体の約8割が卸売市場経由での販売である。
食品流通段階別価格形成調査(青果物調査)より
直販率を上げることは、手間は増えるが、作物の売り単価を上げたり、経費を下げる努力の余地が増えるため、やり方次第では農家の手取りを増やすことに貢献する。
特に、ポケットマルシェというサービスは生産者と顧客の繋がりを構築する、大きな役割を果たしている。
顧客が生産者と直接繋がりを持ち、生産者から声を聞けることで、食べるだけでなく、収穫までのストーリーも一緒に想像しながら味わえる。特に、子どもの食育には生産の様子を伝えることは有益と考える。
大量生産しなくても儲かる仕組みは作れるか?
0・5haで年商1000万円を基準にする
本書では、事業計画よりも、「どんな農を目指したいか?」 をシンプルに明確化し、自身の目指す農業のあるべき姿を設定すべきと伝えている。というのも、農業ライフは決まった枠組みや答えはないため、自身で生き方をデザインすることが重要。
自分の場合は、毎朝を楽しみに、日の出とともに起き、新鮮でとれたての食材を家族と友人で分かち合い、食事を楽しむ、自然と調和した暮らしをしたいと考える。
自身の生き方を定義した上で、生計を立てるため、農業としてあまり大きな規模ではない、5,000m2程度の田畑のサイズであっても、1000万円の売上を目標とする事業計画が必要と述べている。
これから私自身も著者と同様に様々な農家と出会いながら、自身の農業との関わりをデザインしていきたいと思う。
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スマートペンのすすめ
今回、書評を準備するにあたり、「Smartpen」というツールを用いて、専用ノートに手書きでまとめた内容をOCRでデジタル化した。
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本を読みながらだと、紙に書いた方がまとめやすく、思考も整理でき、全体を俯瞰できる。一方で、まとめたノートを電子化するには、写真で撮影する手間や、文字起こしする手間が発生するが、このツールを用いれば8割の精度※で自動でデジタル化できるのでとても便利である。
(私は字が汚いが、字がきれいな方は9割以上も実現できると考える。)
思考を整理したり、本をまとめたり、絵を描くのは紙に落とし込みたいが、デジタル化する際の手間が面倒と感じている方にはぜひ一度試してもらえると幸いである。