農情人:食と農の現地情報を発信

農村に訪れたときの体験記や食・農業について綴る

【第3弾】やる気ある若者は大歓迎~ノウハウは惜しみなく開示して後継者育成に捧げる~

第3弾では、常に進化を遂げている西村さんでも抱える悩みと今後の展望を綴る。

 
 
 
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災害に耐えられる強い圃場作りや生産性向上のための改善活動と共に、販売単価向上のためのデータ収集・分析と改革を実行に就農後は精力的に取り組んできた。
一方で、「万倉なす」生産部会の農家数は70軒をピークに、減少傾向が止まらず、今では4軒まで減少。
原因はシンプル。収支が合わず、「儲からない」という一言に尽きる。
「儲かる農業」の実現のために国や企業が血眼になりながら試行錯誤しているが、未だ明確な方向性は指し示されていないのが現状である。
もちろん、農家の中には1粒五万円のイチゴや1本一万円のネギをブランド化して宣伝し、全体の販売単価の向上を実現している例もある。
なぜなら、高単価の作物は全体のうちのごくわずかである。
現に1本一万円のネギは全体生産量200万本のうち10本であり、0.000005%の割合であり、なんと年末ジャンボ宝くじの当選確率の割合と同じレベルである。
比べ方は適当ではないかもしれないが、逆に言うと、そのくらいの割合で生産できる「最高峰のネギ」であっても、一億円ではなく、たかだか一万円なのである。

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採れたてのネギ

 

特に、今年の冬の青果市場は顕著であるが、農業は生産物が安すぎることにより、儲からないと嘆く人が多い。
もちろん、食料は他の生産物とは異なり、人が生きる上で無くてはならないものであるため、国が補助金を投入して、価格を抑えているという背景もある。
しかし、ただ畑に種を撒いて、育てて、収穫して、市場に出荷するだけでは儲からないことは誰にでも想像できるだろう。
そのため、生産と販売における工夫や改善活動を他の業界と同等レベル以上に出来るかが肝になってくる。
西村さんも「農業界に若者を惹きつけて、後継者を育成できるかどうかは、自身が儲かる農業が実現出来るかがカギである」と述べていた。
そのために、自身が7年かけて蓄積してきたデータや開発したアイテムはもちろんのこと、耕す農地や住処や経営方法の指導まで全力でサポートする心づもりであると仰っていた。

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畑の中で生き生きと語る西村さん



農業界は労働者の高齢化が進み、耕作放棄地が増加し、天候不順が増えている。一方で、そのような逆風が吹き荒れる中、事業を継続できている農家は自ずと実力が高く、新規参入者であってもそのような実力者を師匠として教えを乞えば、活躍できる余地は大きい。
農業は継続して利益を上げるのが難しいという一般常識がある分、改善や工夫の余地がたくさんあり、西村さんの仰った「農業は永遠に飽きることにない天職」という言葉にも納得できる。