農情人:食と農の現地情報を発信

農村に訪れたときの体験記や食・農業について綴る

コロナをきっかけに私たちの食はどうかわるのか?

「ゆるベジ」という言葉は聞かれたことがあるでしょうか?

私自身、ビーガンやベジタリアンは知っていたが、この「ゆるべジ」という言葉は「コロナ後の食と農」を読んで始めて知った。 

今回は「ゆるベジ」というキーワードをもとに、「コロナをきっかけに私たちの食はどうかわるのか?」というテーマで綴る。

 

目次

 

そもそも「ゆるベジ」とは

野菜や果物や豆類を中心とした食生活にすることで私たちの健康だけではなく、地球にとっても負荷が減る食生活を目指す取り組みである。

vegeness.com

免疫力を高めて感染症にかかりにくい身体づくりを実現できる。

とはいいつつも、「ベジタリアン」ではないので、必ずしもお肉を食べてはいけないということはない。
あくまで、牛や豚を育てるためには地球に負荷がかかりすぎるため、極力、食べ過ぎないように注意する意識が大事との考え。

 

いままでの大量生産・大量消費は重要なコストを見落としている

「ゆるべジ」の習慣はもちろん、日本では、自然栽培や有機栽培で生産した農産物はまだまだ一般的ではなく割高感が強い。

そのため、お金に余裕がある人が買うものという見方が多数を占める。

では、なぜ、自然栽培や有機栽培ではない方法で生産した農産物は安いのか? 

慣行農業ではトータルなコストが反映されていないからなのです。環境や健康への悪影響といった外部不経済の代償は社会が支払っている。*1

それは、農業によって破壊される地球環境のコストが反映されてい無いためである。
例えば、広大な土地でレタスのような単一作物を作るために、農薬散布車で農薬を振りまく。

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農薬散布イメージ

その結果、たしかに、病害虫予防は実現し、広大な土地を少ない人員で管理できる。
一方で、「慣行農業」はメリットばかりではない。
農薬散布により土壌内の微生物まで殺してしまいバランスが崩れるため、環境保全や持続可能性の観点からは大きなデメリットである。
そんなデメリットはスーパーの店頭価格に反映できないため、最終価格は安く抑えることができる。
では、そんな見えないコストは誰が負担しているのでしょうか?
それは「我々の子どもの世代」であり、未来に残す借金と言っても過言ではない。


30年前から未来からの借金返済に取り組む企業

ここで「らでぃっしゅぼーや」という企業を「社会起業家が〈農〉を変える」という本をもとに紹介する。


現在、OISIXと統合して「オイシックス・ラ・大地」という社名で活動している。
実は、「らでぃっしゅぼーや」が発足したのは30年ほど前に遡る。

創業者が「大量消費と大量廃棄」に疑問を持ったことが創業の背景にある。
社名の「らでぃっしゅ」は日本語で二十日大根を意味しており、荒れ地でもよく育つ強い生命力を持つ。
また、「RADIX(ラディックス)はものごとの根源を意味するラテン語でもある。
そして「ぼーや」は子どもたちであり、次世代を意味している。
そのため、社名にはものごとの根源である人間や動植物や自然環境を、どんなことがあっても未来へ繋げていくという強い気持ちが込められている。
SDGsへも積極的に取り組んでおり、17の目標のうち9つの目標を目指して、野菜販売や加工事業に取り組んでいる。


時代は確実に変わりつつある

新型コロナをきっかけに、多くの方々が健康や食への意識を高めているように感じる。それは、食べチョクやポケットマルシェのような農家さんから直接買うサービスの売り上げが急増していることからも読み取れる。
家で食事をする機会が増えて外食が減った結果、少しずつ、食材にこだわる方が増えているのかもしれない。

もちろん、農家さんから直接買うサービスは、各個人宅へ農家さんが配送する必要があるため手間がかかる点は課題である。
とはいいつつも、長期的に地球の健康を維持する環境負荷の低い食材を購入する人が増えているという点はポジティブである。

 

新型コロナは地産地消のリハーサル?

コロナウイルスの危機は、すべての人々が栄養価が高い食べ物を手にできるローカルなフードシステムに向けた大きな国際的な取り組みのリハーサルにすぎない*2 

環境負荷の低い食材を買うだけでなく、自身で農産物を育てる方が増えていることも追い風である。

実際、近所で私自身が借りている「シェア畑」は昨年から定員が埋まっている。
特に、2020年4月に緊急事態宣言が発令されてからシェア畑の申し込みの問い合わせが急増したとのこと。
もちろん、在宅続きの中、自然に癒しを求める方も多くいると想像できるが、食料を自給するニーズも高まっていると言える。


この追い風に乗ることが重要

私自身、現在、「IT農人(イートノート)」という会社の立ち上げに取り掛かっている。現在、既に12人のメンバーとともに、”IT”と”脳”を駆使して、"農人"(持続可能な方法で生産に取り組む農家さん)をサポートしている。 

villagehunter.hatenablog.com

 

直近では、スーパーや直売所には出荷できない、規格外野菜の販売システムの導入を進めている。
ECで販売するとどうしてもサイト構築や販売手数料はもちろん管理の手間が発生する。
そのため、ECサイト構築に二の足を踏む小規模農家さんは数多くいらっしゃる。
IT農人のメンバーではそんな課題を解決するため、「Airtable」という無料のノーコードツールを活用して、シンプルなシステム構築に取り組む。 

airtable.com

また、システム開発と並行して、メンバーのトマト農家さんのブランディングのために、バレンタイン企画でおもてなし料理研究家とコラボしてトマチョコレシピを開発。

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トマチョコレシピのご紹介

時代の変化は大きなビジネスチャンスと捉えて、メンバーで楽しみながら、様々な形で関わる人々が”濃い”人生を送ることを実現したい。

 

今回の内容は音声でも配信しています。

stand.fm

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。 

*1:P30

*2:P133