農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

新たな農業のカタチの実現を目指して「Metagri(メタグリ)」をキーワードに活動

耕すだけが農業ではない! Z世代を巻き込む農業マーケティング

「Z世代って、なぜ最近 注目されているのか?」

そんな疑問を持ったことはないだろうか?

f:id:goldenfish8:20220203155135j:plain

各世代の定義

「Z世代」とは2022年1月現在、10~25歳の世代である。
※参考:Z世代マーケティング

 

Z世代より上の世代は下記の通りである。(2022年時点)
X世代:41~55歳
Y世代:26~40歳
私はゆとり世代でもある「Y世代」に該当する。

そこで、今回は高まるZ世代への注目の背景と
農業界における若い人材の重要性をテーマに綴る。

これから新規事業で「Z世代」へ向けた施策を検討している方や
「Z世代」に興味関心のある方にこそ読んでいただきたい。

f:id:goldenfish8:20220203155506j:plain

これからの主役はZ世代

目次

「Z世代」に対する注目が世界と日本で異なる理由

まずは次のグラフをご覧いただきたい。

f:id:goldenfish8:20220203140836j:plain

高まるZ世代の人口

引用元:Department of Economic and Social Affairs(Population Dynamics)

 

世界の総人口は右肩上がりで伸びており、
「Z世代」は2020年には18.5億人に達する。

「Z世代」はアナログに親しんでいたX世代、Y世代とは異なり、
生まれた時からデジタルに親しんでいる。
そのため、「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれており、
X世代、Y世代よりもデジタルに強い。

 

では、日本における「Z世代」はどうだろうか?
次のグラフをご覧いただきたい。

f:id:goldenfish8:20220203143536j:plain

減少する人口と若い人材

※引用元:総務省(人口推計)

ご覧の通り、世界全体とは対照的に人口は減少トレンドが続き、
「Z世代」の割合は14%にとどまる。

世界では注目を浴びる「Z世代」も
日本では、まだ人口割合が少ない。

「Z世代」に対する注目度は、
海外と日本では未だギャップがある。

「Z世代」は2010年代から2020年代にかけて社会に進出する世代であり
年を重ねるごとに消費の中心を担うようになる。

今からでも「Z世代」を消費者として
注視しておくことは日本においても重要である。

次に高齢化が最も進むと言われる日本の農業の課題を述べる。

高齢化が止まらない日本農業の課題

農業は日本の伝統的な文化であり、絶やしてはいけない。
それが現在、後継者が足りず、農家の存続は危機的状況に陥っている。

絶やしてはいけない日本の大事な文化を守るためにも、
農業に「マーケティング」が求められている。
農家はマーケティングの重要性にもっと気づくべきだろう。

日本の農業はこれまで苦戦してきた。
それはビジネスの観点が欠如していたからでもある。
「Z世代」へアプローチするには、マーケティングが必要不可欠だ。

マーケティングがおろそかになっていれば後継人は現れず、
人材育成ができなくても無理はない。

日増しに高まる農業界における若い人材の重要性

次のグラフは年齢別の新規就農者数の推移である。

f:id:goldenfish8:20220202181152j:plain

若い新規就農者数も低迷

※引用元:農林水産省(新規就農者調査)

2017年までは20代以下の割合が15%程度で推移していたものの
直近では10%程度まで減少している。

 

ここで農業従事者と49歳以下の割合の推移データを紹介する。

f:id:goldenfish8:20220203115923j:plain

減少する農業従事者

※引用元:農林水産省(農業構造動態調査)

 

農業従事者の平均年齢が60歳を超える農業界において、
49歳以下の人材が占める割合は10%前後で推移している。

高齢化率が高まるとともに、
農業の持続可能性が危ぶまれる……。

なぜ、若い人材がこれほどまでに少ないのか?

次の円グラフをご覧いただきたい。

f:id:goldenfish8:20220203150159j:plain

生計が成り立っていない新規就農者たち

(就農してから10年以内の新規就農者2,265人へのヒアリング)

※引用元:総務省平成28年度-新規就農者の就農実態に関する調査結果)

なんと、新規就農者のうち、過半数を大きく上回る方が
生計が成り立たないまま継続しているのが実態だ。

 

農家の収入はどのくらいかご存知だろうか?
次のデータは全国における農家の農業収益と所得率を示す。

f:id:goldenfish8:20220203115145j:plain

農業収入の推移

※引用元:農林水産省(営農類型別経営統計)

 

農業従事者が減少するなか、戸あたりの生産規模は拡大が続いている。
課題は規模拡大に伴って、所得率が上昇していない点だ。
つまり、規模拡大により売上が上昇しても、利益が横ばいである。

スケールメリットの恩恵を受けていない……。

理由は、規模の拡大に伴って、
収穫や出荷に関わる人件費も比例的に増加してしまうからだ。

そんな、スケールメリットが効かない農業で
〝儲からない〟と悲観的な農家を見て育った若者はどう思うだろうか?

「そんなに苦労しても儲からないなら継ぎたくない……」

私ならそう思う。

しかし、「持続可能な農業」実現のためには、
X世代→Y世代→Z世代へと、バトンを渡していく必要がある。

人口減少で高齢化が進む日本で求められているのは、
「Z世代」にもっと農業に関心を持ってもらうことだ。

Z世代へ向けたマーケティングの必要性

「Z世代」に農業への関心を持ってもらうためにはどうすればよいのか?

そこで次のような方策を提示する。

  1. リモートで実務経験を積むきっかけを提供する
  2. コンテンツ制作をサポートしてもらう
  3. SNSで発信をサポートしてもらう

それぞれ次項より説明する。

1.リモートで実務経験を積むきっかけを提供する

「Z世代」はデジタルに慣れ親しんでいるため、
リモートワークに抵抗がない方が多い。

農業とリモートは成立しなそうに見えるが、実は成立する。

リモートワークに抵抗がない「Z世代」に、
家からでも実務経験が積める機会を提供しよう。

農業は現地に行かなければできないイメージがある。
しかし、リモートでもできるとなれば、
「Z世代」にとってハードルは低くなるはずだ。

リモートだと現地よりできることが限られてくるが、
少なくとも農業の一部に貢献できるだろう。

2.コンテンツ制作をサポートしてもらう

デジタルコンテンツに強い「Z世代」は数多く存在する。
そこで、農業を成功させるためのマーケティング
「Z世代」を巻き込もう。

探すにあたっては、スキルシェアサービスがオススメである。
例えば、クラウドワークスであれば「依頼内容」「年齢層」
のような条件で探すことができる。

crowdworks.jp


依頼内容は「短い動画の制作」や「ブログ用記事の執筆」など
「Z世代」にあなたの農業を〝コンテンツ〟にしてもらおう。

特に、TikTokのような短い動画コンテンツは拡散しやすい。
TikTokのメインユーザーは若者であり、
気軽に視聴してもらえるだろう。

デジタルコンテンツが苦手なX世代やY世代でも、
デジタルネイティブの「Z世代」に協力してもらえば弱点を補える。

「Z世代」に動画コンテンツを制作してもらうことで、
その若者自身の農業に対する理解と関心が深まるだろう。

3.SNSで発信をサポートしてもらう

最後は、コンテンツ発信のサポートで巻き込む方法だ。

前述したTikTokの使い方が分からなかったり、
使うことに抵抗があれば、
コンテンツの発信も併せて支援してもらおう。

TikTokのような動画SNSを活用すれば、
不特定多数の方に農業を知ってもらい、
関心を高める良いきっかけになるはずだ。

現代は「インフルエンサー」と呼ばれる職種がある世の中である。

僕たちは情報が溢れる時代を生きている。
いっぽうで、生活者ひとりひとりの価値観や嗜好は
これまでにないほど多様化している。
こんな時代だから、誰もが誰かのおすみつきを求めている。
生活者の情報選択や行動変容においてインフルエンサー
果たす役割は、ますます重要になってきている。

-戦略PR 社会を動かす新しい6つのルール(本田哲也(著))

 

インフルエンサーは情報の拡散と信頼度を高めるにあたり
非常に重要な役割を果たしている。

プロのインフルエンサーでなくても、
情報発信が得意な「Z世代」を探し、
コンテンツを拡散してもらうのは有効だ。

f:id:goldenfish8:20220203183406p:plain

東京在住のZ世代が保有するSNSアカウント

引用元:株式会社メトロアドエージェンシー(2021年3月調査)
※東京都在住の15歳~24歳、500人を対象

特に、Twitterの利用率は非常に高いため、拡散する場としてふさわしい。

「バズる」は若者起点で始まる。
若者の間で農業のコンテンツをバズらせれば、人気に勢いがつくだろう。

そのための支援を「インフルエンサー」にしてもらえば、
より多くのフォロワーに閲覧してもらえる。

結果、あなたの農業コンテンツの拡散は成功するはずだ。

 

以上が「Z世代」を巻き込む必要性と方策である。
詳しくはKindle出版で紹介予定である。
他にはない情報を盛り込むため期待していただきたい。

amzn.to

最後までお読みいただきありがとうございます。