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梨で儲かる農業実現へ~成長促進と高密植栽培の組み合わせ~

前回は船橋の梨農園で農家さんのお手伝いをしながら梨の奥深さを学び、複数の品種を育てる理由を紹介しました。

そこで、今回は「梨で儲かる農業実現へ」をテーマに綴ります。

儲かる農業ビジネスに興味がある方はもちろん、梨をよく食べる方は一読頂けると嬉しいです。

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噂のジョイント仕立て法

目次

 

梨農園で儲かる農業を実現するためには?

儲かる農業の実現には「売上アップ」と「原価ダウン」が必要である。
そこで、今回は「売上アップ」に絞って梨農園で儲かる農業を実現するための方法を紹介する。
梨で売上をアップさせるためには、「単価」と「収量」をアップすることが必要。

単価アップのためには需要に応じた出荷調整が肝

前回のブログで梨の品種による出荷時期の違いを紹介した。
複数ある品種の中で、いち早く旬を迎える幸水梨は8月中旬の収穫が一般的である。
しかし、単価アップのためには、供給が少なく、需要が増える8月上旬のお盆のシーズンに間に合わせることが必要。
そのためには、収穫時期を前倒しする必要があり、方法は大きく2つある。
①開花を早める
暖冬であれば、桜と同様に開花が早まり、自ずと収穫時期も早まる。
3年前の2018年は暖冬のため、収穫時期が軒並み10日早まったことも。
しかし、どうしても露地栽培だと環境依存であり、コントロールできない。
  
②植物ホルモンを茎に塗布する
そこで、1本1万円近くする植物ホルモンであるジベレリンペーストを茎に塗るという方法が存在する。
この「ジベレリン処理」によって成長が促進されて収穫時期が1週間ほど早まる。
ジベレリンは植物自体が既に持っている植物ホルモンの1種であり、茎に塗布することで効果を発揮する。
種無しぶどうを作るときにも活躍している農薬の一種である。
一般的な梨農園では、このような工夫によって出荷時期を早めて単価が高い時期に販売している。
 

収量アップのために高密植で栽培

 一般的な梨の樹の間隔は5~6mくらい離れており、それぞれの樹は独立して生育。

一方で、「ジョイント仕立て法」と呼ばれる高密植の栽培方法は逆転の発想で栽培している。

キーワードは「樹と樹をつなげる」であり、樹の間隔は1.5m程度と同一面積に従来の5倍の植樹が可能。

梨の樹どうしを接ぎ木することで相互に成長を補完し、10年近く必要とする梨の栽培期間を半分の5年で実現。

また、梨の樹が一定方向に綺麗に植わっているので、作業時間が大幅に短縮できるというメリットもある。

 

なぜ儲かるはずの農業がまだまだ実現できていないのか?

なぜ梨農家さんがこんなメリットだらけのはずの「ジョイント仕立て法」を実施していないのか?

それは、「ジョイント仕立て法」実現のためには、どうしても新しく梨を植樹する必要があるからだ。

梨の樹は植えてから数十年にも渡って果実を収穫し続けることが可能な果樹である。

年を経るごとに樹が太くなっていき、強い樹に成長していき収量も比例して増える。

梨の寿命は長く、90年近く育てている農家さんもいらっしゃるほどである。

 

www.jimdo-journey.com

そんな大事に育てた樹を切り、新たに樹を植え直すことを考えると既存の梨農家さんがこの画期的な栽培方法に舵を切ることはなかなかないと考える。

 

そのため、「ジョイント仕立て法」に挑戦するのは新規の就農者か、

既存の梨農家さんであれば、造園で新たに梨の樹を植える場合や、寿命を迎えて植え替えるときに限る。

 

まずは現場を見てみることが最初の一歩

 とは言いつつも、新規で梨の生産により「儲かる農業」に挑戦する場合は、今回紹介した「ジベレリン処理」×「ジョイント仕立て法」は重要なキーワードである。

この組み合わせにより、単価と収量アップを実現し、結果的には売上アップに繋がる。

 一度、先進的な取り組みに挑戦する梨農園を見学したいという方や、栽培作業を経験したいという方は下記のフォームより登録いただけると幸いです。

現場に出ることで色んな学びや知見が得られることは間違いないです。

airtable.com

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。