農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

新たな農業のカタチの実現を目指して「Metagri(メタグリ)」をキーワードに活動

農業をアートにするカギは権威性~神のお米をローマ法王に献上してブランド化~

日本には神のお米がある……

✓そんなバカな
✓そんなの聞いたことない
✓そもそも神なんて存在しない

色んな声が聞こえてきそうである。
このお米の産地は、石川県の神子原(みこはら)町である。
そう、地名を武器に「神のお米」と勝手にブランディングして
高付加価値での販売に成功したのである。

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世界に一つのお米

米価が下落する市況において、1キロ1000円と
スーパーのお米の3~5倍の価格で販売している。

なぜ、ブランディングに成功したのだろうか?

その答えは「権威性」にある。

そこで今回は、農業をアートの発想でブランディングするために
欠かせないキーワード「権威性」をテーマに綴る。

これから農業をアート化したい方や
ブランディングして高付加価値を実現したい方にぜひ読んでいただきたい。

目次

 

「農業×アート」で儲かる農家、儲からない農家

「農業×アート」の発想は世界各地で取り組んだ事例がある。
例えば次のような取り組みが存在する。

・農道にアートを展示

kurkkufields.jp

 

田んぼアート

www.gyoda-kankoukyoukai.jp

 

・田んぼで芸術祭

www.echigo-tsumari.jp

 

・農産物でアート制作

prtimes.jp


どの事例もアイデアに溢れて、観る分には楽しい。
しかし、このような取り組みに挑戦しても
注目されず消えていく事例の方が圧倒的に多い。

現代は世界の砂の数より情報が多い、情報化社会である。
※書籍「ファンベース~支持され、愛され、長く売れ続けるために~」より

アートを表現したものの、農産物の高付加価値につながらず、
〝儲かる農業〟の実現に貢献していない……。

どうすれば、農業をアートにして、〝儲かる農業〟を実現できるのか?

そのヒントは「神のお米」にある。

ローマ法王にお米を献上して神のお米の「権威性」を獲得

冒頭でも紹介した「神のお米」。
書籍「ローマ法王に米を食べさせた男」に紹介されている内容をもとに紹介する。

本書は、石川県の神子原(みこはら)町で作るお米を
ブランド化させるストーリーが詳しく描かれている。

神子原は英語名にすると「The Highlands where the son of God」となる。

著者は、この英語名でどう箔をつけるかアイデア出しをする。
そしてたどり着いた答えが、〝神聖なお米〟として
日本の天皇バチカン市国ローマ法王に食べてもらうというアイデアだ。

イデアを実現するために、まずは宮内庁に飛び込みで
「神子原のお米」を売り込む。

結果は惨敗……。

なぜなら、日本の天皇「献穀田で収穫されたお米しか食べてはいけない」
という仕来りがあったからだ。

そこで諦めずに、ローマ法王にも猛烈にアプローチした。
諦めない精神により、ローマ法王に食べてもらえることとなった。
もちろん、生産地は水が綺麗で米作りとしても最適の土地であるため、
品質はお墨付きのお米である。

その実績を「資産」として、あえて「海外メディア」にプレスリリースとして
売り込んで取り上げてもらうに成功する。

なぜ、日本のプレスリリースではないのか?

それは、海外で話題になったニュースの方が日本でも注目されるからだ。
逆輸入の形で、「バチカン市国ローマ法王が食べたお米!」として
日本国内でも〝仕掛けの通り〟話題となる。

百貨店では品切れを起こし、神子原の米価は倍増した。

これぞ、ローマ法王が食べたお米として神格化し、
「権威性」の獲得に成功したブランディングの事例である。

お米に映画を見せて映画監督に送った「映画米」

同様の発想で、農業をアートとしてブランディングに取り組む事例がある。

それは、滋賀県長浜市の若手集団が取り組む「映画米プロジェクト」だ。

コンセプトは稲が育つ田んぼ全体に映画を投影し、
映画を見て育ったお米を映画監督に贈るものだ。

youtu.be

正直、需要が衰退する中、米づくりは斜陽産業である。

そんな中、世界一おもしろいお米づくりを目指し、
『Rice is comedy(米づくりは喜劇だ)』をコンセプトに掲げて活動している。

同郷の身として応援している。

現在、「ゲリラ炊飯バス」を合言葉にクラウドファンディングも実現している。

camp-fire.jp

ぜひ、活動を見て頂けるとありがたい。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。