農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

新たな農業のカタチの実現を目指して「Metagri(メタグリ)」をキーワードに活動

フィリピンの田舎でホ-ムステイ【第2弾】

第2弾としては、農村における生計事情についてまとめる。

フィリピンにおける一般的な仕事としては、個人タクシー/乗り合いタクシー(ジプニー)のドライバー、建設業、レストランスタッフなどがあり、月給は約10,000円~20,000円程度である。

一番大きな支出は食費だが、実はフィリピンの電気料金はかなり高く単価(kwh)は日本とほとんど変わらないのが実情だ。
理由はいくつかあるが、よく指摘される原因の1つが盗電であり、盗電による損失が電気代に加算されている。
結果、月に1,000円~3,000円と実に一般的な収入の10%以上を占めている。
そのため、一般的な月給だけでは、食費、電気代、携帯代、学費(教科書代や制服代)などを賄うのは難しく、多くの家庭では副業として、ネットカフェ、お菓子や日用品などの小売、石炭販売などを行う。

農村に住む人々が従事するいくつかの仕事について紹介する。 

  

①道路や家の建設業(本業)

一般的に日給800~1,000円程度。かなりの肉体労働であり、常夏のフィリピンでは一層大変な仕事である。ホームステイ先の父は当建設業の会社で働いている。ホームステイしていた日は残業があったようで帰宅は20時前であった。

当業務の特徴は肉体労働であり、従事している人はほとんどの人が筋骨隆々である。

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    (出勤前にバイクを丹念に磨く父)

 

②外食店スタッフ(本業)

フィリピンで外食といえば、ファーストフードのJollibee(ジョリビー)でありマクドナルドより知名度/人気が共に高い。年商3,000億円ほどであり、国内店舗数は880と マクドナルド(約450)の2倍近く。マクドナルドがトップを取れない世界で数少ない国の一つと言われるほどである。(2015年時点)

また、Mang Inasal(マン・イナサル)と言う、ご飯が食べ放題のバーベキュー料理店も国内店舗数が459と2位の有名外食店である、

私の友人がMang Inasalで2年ほど働いており、実際の勤務状況について聞いてみた。

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彼は厨房にて串に刺さった鳥を焼く一番熱くて危険な仕事を行っている。2年と比較的長い間働いているため、店内での影響力が高まってきており、店内異動を申し出ているそうだ。

勤務形態に関して、週休1日制で昇給は無く、日給は勤務スタート時と変わらず700円ほどだそうだ。日本で言うアルバイトのような勤務形態である。そのため、月給は15,000円ほどである。

 

③ネットカフェ(副業)

農村においてもネットカフェがありインターネットが使用できる。

主なユーザーは実は子供(6歳~15歳)である。

用途としては、FACEBOOKのようなSNSやYOUTUBEでアニメや音楽を聴く、アプリでゲームをするなどである。

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(YOUTUBEのアニメに夢中)

 

5分/2円程度で売上げの40%が事業者の収入となり、売上げの60%がパソコン、必要な資材(机や椅子)、通信料金の提供者である投資家の元に渡る仕組みである。
電気代は事業者が負担するため、実際の手取りは売上げの40%以下となる。
事業者のメリットとしては、専用アイテムを使用することで無償でインターネットを使用することが出来る。
ホームステイ先の父は子供が寝静まった後でもゲームに夢中であった。

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月によってのばらつきは大きいが、月に1,000円~3,000円の収入となる。

 

④サリサリストア(副業)

サリサリストアとは、農村でのコンビニのような小売店である。

ジュースやビールなどの食品から、洗剤、タバコなどの日用品を販売している。

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仕入先は実は市内の「スーパーマーケット」である。

そのため、スーパーマーケットよりも割高で販売されている。

農村の人々が割高にもかかわらず購入する大きな理由は小分け単位での購入である。

お菓子であれば飴一粒から、タバコであればスティック1本から購入可能。

ホームステイ先の家ではお菓子や日用品などの小売も同時に行っている。

しかし、ホームステイ先の母が言うには、大した収入にはなっていないとのこと。理由は、家の子供がお菓子を自由に食べているため、利益は家庭内消費でほとんど消えているようである。

 

上記以外にもフィリピンでメジャーな仕事はジプニー(乗り合いタクシー)など種類は多々ある。しかし、お気付きの通り一般的な収入では家計を成り立たせるには不十分であり、いくつかの副業を行うことが必須である。そのため、フィリピン人口の1割以上の人間が海外へ出稼ぎへ行き、送金で家計を成り立たせる家も多いのは事実である。

結果、海外からの送金額のGDP比は10%を超えており東南アジアではNo.1であるのも納得できる。

 

 次回は、農村生活の1日について綴りたいと思う。