東南アジア農村放浪記

途上国の農村に訪れたときの体験記や食・農業について綴る

宇都宮のニンニク農家を訪れて【第3弾】~マルシェで限定の生ニンニクを売りに行く~

「採れたて無農薬栽培の生ニンニクはいかがですか?」

毎月第2土曜日・日曜日に勝どきにある月島第二児童公園で開催される”太陽のマルシェ”で生ニンニクの販売する”農人たち”さんのお手伝いに行った。

農人たち - 農人たち-ノウジンタチ-

 

収穫から1週間しか経っていないため、未だ「生ニンニク」という謳い文句で販売することが出来た。

※一般的には2週間経つと乾燥が進むため、「生ニンニク」と言えないようである。

 

ニンニクを販売していると、面白いことに購入する人と購入しない人がはっきり分かれる。

というのも、店の前に立ち止まる方はほとんど迷わずニンニクを購入された。

ニンニクを買うことは既に心に決めてマルシェに来ているのか、新鮮なニンニクを見たら買いたくなるのかは人それぞれのようであった。

 

f:id:goldenfish8:20180617144924p:plain

ブースの様子、値段は1個200~300円。

これだけニンニクを前面に押しだせば購入者も迷うことが無いのかもしれない

 

特に、販売をしていて興味深かったのは”男性”の購入者が多いことだ。

「家でホイル焼きをしてビールと一緒に!」

「バーベキューで使う!」

など、ニンニクを丸ごと味わうことを楽しみに購入されていった。

 

一方で、奥さんと一緒に来られている男性は、奥さんの顔色を伺って、泣く泣く買えずに去っていく姿も見受けられた。

(恐らく、家で調理するのは奥さんであり、ニオイも気になるというのが主な理由だろう……)

 

 

今回、3弾に渡ってニンニクに関する記事を綴ってきたが、調べてみると国産のニンニクは日本国内で半分ほどのシェアであるそうだ。

日本で出回っている残りの半分は輸入品であり、ほとんどが中国から来ている。

中国の農産物に対する不安視が叫ばれる中でも、価格の面で圧倒的に優位に立つ中国産ニンニクを手放せない方が多いのが現状だ。

さらに、「無農薬」や「有機」というカテゴリーに入るニンニクは10%にも満たないであろう。

 

そんな中、ニンニクの生産量をむやみに拡大させず、安全な無農薬栽培にこだわる”農人たち”さんのニンニクは光って見えた。

今までここまでニンニクに注目したことは無かったが、自分で収穫して、その場で食べて、販売までやってみると見方は変わるものである。

宇都宮のニンニク農家を訪れて【第2弾】~ホクホクのジャガイモのようなニンニク~

「石窯で採れたてのニンニクを使ったピザづくり!」
恐らく、家族連れでニンニクの収穫に来た一番の理由はこの一大イベントにあるといっても過言ではない。
 
ニンニクの収穫が一段落して、一斉に手作りピザづくりが始まった。
具材は新鮮なニンニクはもちろん、近くの農家が持参してくれた、トマト、ズッキーニ、スナップエンドウなど採れたての旬野菜ラインナップである。
子どもたちは率先して、包丁を持ち始め、具材を切り始めた。
家でもお手伝いをしているのか、小学生とは思えない包丁さばきであった。

f:id:goldenfish8:20180609170900p:plain

 
私は小学生とペアを組み、野菜モリモリのピザづくりにチャレンジした。
私自身、大学時代に、ピザ屋でアルバイトしていたお陰もあり、盛り付けは上手く行った。

f:id:goldenfish8:20180609170950p:plain

 

そして、石窯に入れて、待つこと10分……。

f:id:goldenfish8:20180609171032p:plain

 

遂に完成!
「見た目だけ」は豪華なピザに仕上がった。
 

f:id:goldenfish8:20180609171119p:plain

 
朝から農作業で汗を流したため、お腹ペコぺコであったため、早速、食べてみた。
「ん? なんだこの辛さは……」
実は、野菜を盛りすぎたため、中まで火が通っておらず、ニンニクが半生であった。
本当の生ニンニクを食することになった。
恐らく、この先、採れたての生ニンニクを半生で食べるという、贅沢な(?)食べ方は出来ないであろうと思いながら、辛さに涙を流しながら完食した。笑
 
もちろん、そんな生ニンニクの食べ方は正しくはない。
贅沢な食べ方はやはり、生ニンニクの石窯ホイル焼きである。

f:id:goldenfish8:20180609171220p:plain

 
ホイルを開けて、輝く無数のニンニクたち。 
食欲をそそるにんにくの香りが鼻をくすぐってきた。
食べる前から、美味しいことは確約されていた。
柔らかくとろけるような食感で、ホクホクの香ばしい味わい。
これがニンニクか? と信じられない味わいであった。
 
もちろん、採れたてということもあるだろうが、6年間、毎年、採れた種を厳選して栽培を繰り返し、天候にも恵まれた結果であろう。
 
やはり、収穫の後の楽しみは新鮮な野菜を食べられること!
 
次回は、収穫したニンニクを販売するところに立ち会う、「マルシェで限定の生ニンニクを販売」というテーマで綴りたいと思う。

宇都宮のニンニク農家を訪れて【第1弾】~手に入らない生ニンニクの収穫祭~

「カマキリの子供がいるよ~!」

「幼虫がいたよ! 何の幼虫かな?」

大人も子どもも、みんなが夢中で、土や虫と戯れながら、ニンニクを引っこ抜いている。

f:id:goldenfish8:20180606090655p:plain

 

今回は、「農人たち」という企業が運営する、栃木県の宇都宮市にある農場のニンニク収穫祭に参加させて頂いた。

https://www.noujintachi.jp/

 

 

ニンニクは土に植わっており、収穫期になると、株元を引っ張って土から引っこ抜く。

感覚としては、昔、ゲームで流行った「ピクミン」のようなイメージである。

f:id:goldenfish8:20180606090742p:plain

        収穫後の生ニンニク

 

本日は天気がとてもよく、雲一つない快晴であった。

そのため、引っこ抜いた後のニンニクは乾燥させるために天日干しにした。

f:id:goldenfish8:20180606090901p:plain

         天日干しの様子

 

実は、生ニンニクは市場においてほとんど流通しておらず、スーパーで売られているニンニクはほぼ乾燥ニンニクである。

「農人たち」さんも、販売するニンニクは時間をかけて乾燥させている。

仮に、運が悪く、収穫前や収穫時に雨が降った場合、天日干しが出来ない上に、湿った状態のニンニクは乾燥機を使用して乾燥させる。そのため、天日干しに比べて期間と燃料代が大幅にアップする。

そういった意味では、ニンニクの生産販売はリスクの高い商売のようである。

 

そして、ニンニクを天日干しにした後、茎を切る作業が次に待っていた。

f:id:goldenfish8:20180606090938p:plain

   生ニンニクの茎を切る様子

 

ニンニクの茎は基本的に食べられることは無い。

一方で、ニンニクの芽はスーパーなどで売られているが、あれはニンニクが土に植わっている、収穫前に出てきた花芽を先に収穫したものである。

 

茎を切り取った後、ニンニクをケースに集めて、乾燥機に入れて本日の作業は終了である。

今回は天気が良く天日干しをしたため、乾燥期間は2週間を予定しているそうだ。

f:id:goldenfish8:20180606091005p:plain

    乾燥部屋の中の様子

 

今回、ニンニクの収穫作業は初めての体験であったが、市場では乾燥ニンニクしか手に入らないことは、正直、知らなかった。

ネットで調べると出てくるが、生ニンニクは生産者しか食べることが出来ない代物だそうだ。

なぜなら、収穫後、時間が経過するとニンニク中の水分がとんでいくため、乾燥ニンニクと化してしまうからだ。

しかし、今回は収穫祭。

特権として、普通は食べられない生ニンニクを今回食べることが出来た。

詳しくは、次回、「ホクホクのジャガイモのようなニンニク」というテーマで綴りたいと思う。

【5月19日】食について考えるワークショップ

今回は告知のような内容になってしまいますが、「簡単に、今より健康な「食」を手に入れる講座」というお題目で5月19日午前9時から銀座にてワークショップをやらせて頂きます。

まだ、参加枠は一部あるようですのでもしご都合あればお越し頂けると嬉しいです!

f:id:goldenfish8:20180513130732p:plain

www.facebook.com

 

私は、昨年の2017年10月に転職してから、働き方がガラッと変わってしまい、朝から晩までほとんで昼食を取る時間が無かったり、終電で帰れない日もあったりと、不健康極まりない生活を送る中で、寿命を削っているなと感じています。

一方で、ここ半年、一度も会社を休むことなく、全力で働き続けられているのは「健康」のお陰だなと実感する毎日です。

 「健康」であることの有難さは失わないとなかなか実感できないものですが、自分自身、朝起きた時や寝る前に出来るだけ、「健康」であることに感謝するように心がけています。

健康の維持にはいろんな要素があると思いますが、私が色々と試す中で重要と考えるのは、やはり身体を作っている「食」だと思います。

仕事で忙しくて、料理や買い物をする暇も無いのですが、工夫次第で簡単にできることはたくさんあることに気付いたので今回のワークショップで紹介させて頂きたいと思います。

f:id:goldenfish8:20180513124904p:plain

当日使用予定の資料より抜粋

 

ワークショップを通して皆さまから新たな知見を頂き、自分の食生活をさらに良くして生きたいという思惑もあります。

ご興味あればご参加いただければ幸いです。

よろしくお願いします。

ファーマーズマーケットを訪れて【第3弾】~世界に一つだけの黒ジャンボにんにくとの出会い~

今回は第3弾として、青山のファーマーズマーケットで出会った、世界で1つの『黒ジャンボにんにく』を販売する農家について紹介したいと思う。 

 

そもそも、黒にんにくというと、栽培時のにんにく自体が黒いと勝手にイメージしていたが、収穫時は普通の白にんにくである。
あくまでも、高温・多湿という環境のもとで、約1ヶ月程度熟成させて自己発酵した結果、黒くなったにんにくを「黒にんにく」と呼んでいるそうである。

 

今回、ファーマーズマーケットで出会った、「手づくり工房あかね」の販売する『黒ジャンボにんにく』は20年以上農薬を使わず栽培を続けてきたそうだ。

また、黒にんにくを扱う方はたくさんいるが、皮まで真っ黒でみずみずしく、ジャンボニンニク100%の甘いソースが出る黒ジャンボにんにくは世界で一つだけだそうだ。

それほど、ジャンボにんにくを発酵させるのは難しい技術を要するのであろう。

  f:id:goldenfish8:20180505115234p:plain

ジャンボニンニクと普通サイズのニンンクとの比較

 

さらに全て手作りと、こだわりがにじみ出た商品のラインナップである。

f:id:goldenfish8:20180505115458p:plain

『黒ジャンボにんにく』とは - 手づくり工房あかね

※ネットでも購入可能。

 

「にんにくですが、意外と甘いんですよ!」と声をかけて頂き、早速、試食させて頂いた。
確かに、にんにくの臭みがほとんどなく、とても食べやすかったので驚いた。
私は「なぜ臭みが無くて食べやすいんですか?」と聞いてみると、
「実は、ジャンボにんにくは熟成させることにより黒くなり、強いニンニク臭がなくなるんですよ!」
さらに農家の方は、「私は農家と言う事もあり、朝も早起きで1日4時間睡眠が続くこともあるのですが、寝る前に食べているお陰か、いつも身体が軽いんですよ!」
と、心に刺さる一言であった。
私自身も平日は仕事柄、パソコンと半日以上向き合い、帰宅も遅く、寝る時間も限られている。

そんな健康とは言い難い生活をしているため、藁にもすがる気持ちで試してみたくなった。
そこで私は、『黒ジャンボにんにく蜂蜜漬け』を購入させて頂いた。

f:id:goldenfish8:20180505120322p:plain

 

一人暮らしの身としては、寝る前や小腹が空いた時にカップアイスを食べるように、スプーンですくってそのまま食べられる点が非常にお手軽である。
食べる量は少量のため、食事をするというよりも間食向きであると思われる。
黒ジャンボにんにく生活を始めて1週間程度であるため、効果のほどはこれからだが、お手軽なので気長に続けてみたいと思う。

ファーマーズマーケットを訪れて【第2弾】~1個100円のタマゴとの出会い~

今回は第2弾として、青山のファーマーズマーケットで出会った、こだわりのタマゴを販売する農家について紹介したいと思う。

 

ファーマーズマーケットにはたくさんの種類のタマゴが販売されている。

その中でもひときわ異彩を放っていたのは、なんと1パック(10個入り)1,000円と、市販の5倍ほどの値段で売られているタマゴである。

f:id:goldenfish8:20180504160200p:plain

セオリファーム じゅうねん卵

seorifarm.com

 

第一印象は「こんなに高いタマゴを買う人はいるのだろうか?」であった。

そんな高い値付けの背景を知りたくなり、販売者に話を聞いてみることにした。

気になるから話を聞いてみよう! そんな甘い考えから、最後にはタマゴの生産秘話に共感し、市販の安価なタマゴが買えなくなる自分になるとはこの時知る由もなかった……。

 

まず、販売者の第一声には「うちの扱っているタマゴは冷蔵保管すれば1か月以上はもちます!」と、自分の常識では考えられない売り文句から始まった。

そこで私は、「えっ、スーパーで売っているタマゴは賞味期限が2週間程度なのに、なぜですか?」と聞いてみると、待っていましたと言わんばかりに、

「実は、市販のタマゴは採卵後、お湯で洗卵しているのです。しかし、私のタマゴは洗卵していないため、長持ちします。」と自慢げに語ってくれた。
私は、「そもそも、なぜ市販のタマゴは洗卵する必要があるのでしょうか?」と聞いてみると、
「市販で扱っているタマゴの多くは、飼料の栄養価が低く、ニワトリがタマゴを産むときに、一緒に下痢が出てしまうのです。そのため、洗卵しないことには汚くて売り物になりません。一方で、私たちの育てるニワトリは、値は張りますが栄養価の高い餌を与えているので、健康そのものでタマゴを産むときに一緒に出る糞は固形なのです。そのため、タマゴが汚れることがなく洗卵する必要がありません。」
なるほど、タマゴ一つでここまで違いがあるものかと脱帽した。
そんな私の驚いた顔を見て販売者はすかさず、

「実は市販のタマゴを産むニワトリは、狭い小屋の中でひしめきあいながら、早く成長するように抗生物質や成長ホルモンの入った餌を食べさせられて育っています。1パック100円で売るためにはそうするしかないのだと思います。一方で、私たちの飼っているニワトリは放し飼いなので、のびのび育っています。確かに1個100円は比較的高いかもしれませんが、私は市販のタマゴが安すぎるだけだと感じています。」

f:id:goldenfish8:20180504095152p:plain

    一般的な鶏小屋のイメージ

 

いつも何気なく食べているタマゴであるが、知らない事実ばかりであった。
最後の売り文句に「このタマゴを食べる時は、タマゴかけご飯が一番! 醤油よりも塩で食すのが通です。」と、食べ方までレクチャーされてしまった。

既に私の頭の中は、炊き立てご飯にタマゴをのせて、塩をパッと振って食べているイメージでいっぱいになっていた。 

f:id:goldenfish8:20180503164806p:plain

そうして、気づいた時には1パック1,000円のタマゴを躊躇することなく購入していた。

 

次回は第3弾として、1日4時間睡眠でも元気な農家さんが扱う世界に一つだけの「黒ジャンボにんにく」について綴りたいと思う。

ファーマーズマーケットを訪れて【第1弾】~納豆との出会い~

気づけば半年ぶりの更新となるが、最近、月1回以上訪れている日本のファーマーズマーケットでの出会いについて綴りたいと思う。

ファーマーズマーケットは奥が深いので3回にわたって、素晴らしい生産者の食品をお伝えする。

今回は第1弾として、納豆に対して強いこだわりを持つ生産者を紹介したい。

 

ファーマーズマーケットは日本でもいくつかあるが、私は毎週土日に開催されている、青山のファーマーズマーケットによく訪れる。

farmersmarkets.jp

規模もそこそこ大きく、直販を手掛ける農家にとっては一度は出展を目指すイベントである。

普段、何気なく購入している食べ物ではあるが、値段や種類のバラエティは豊富であり見て回るだけでも十分楽しめると感じる。

 

そんな中、毎週欠かさず出展しているという、見た目から頑固な岡田さんとの出会いは思い出深かった。

岡田さんは納豆をメインに扱う「岡田発酵工房」の代表で、年齢は80歳を超えているそうだ。

f:id:goldenfish8:20180503160345p:plain

青山のファーマーズマーケットには、毎週出展しているほどとても元気で、話し出すと止まらないくらいエネルギーに満ち溢れている。

毎日、自社の納豆を食べていると仰っていたので、元気な岡田さんをみると、岡田さんの手掛ける納豆のレベルの高さを証明しているように感じられた。

納豆について話を深めていくと、専門的過ぎてほとんど理解できなかったが、「無農薬の自慢の国産大豆を原料に、貴重な納豆菌を用いて生産している」という事実だけは伝わった。

岡田さんに言わせると、市販の納豆は十分な発酵をさせずに、工場の回転率だけを重視した納豆のまがい物だそうである……。

中でも一番衝撃だったのは、日本に出回る納豆のほとんどは遺伝子組み換え大豆が使用されており、たとえ、パッケージの裏側に「遺伝子組み換えではない」と表示していても、遺伝子組み換え大豆の使用割合が全体の5%以下であれば販売しても問題ないというという点である。

この事実を知った時、毎日、納豆を食べていた自分としては何を信用して食品を購入して良いか分からなくなってしまった。

そもそも、遺伝子組み換え大豆が安全か危険かという点については様々な見解があるが、一つの事実として、人間が食べ始めてから20年程度しか経っていないため、人体への影響は誰にも分からないということである。

もちろん、岡田さんの扱う納豆にも遺伝子組み換え大豆が使用されている可能性はゼロではないが、ここまで生産に対して強いこだわりを持ち、精力的に販売を続ける岡田さんなら信用できると思っている。

f:id:goldenfish8:20180503160447p:plain

3パック500円(80g/パック)と市販の3倍ほどの値段であるが、既に自分はリピーターになってしまっている。

顔が見える生産者から買うことは、こんなにも食品に対する見方が変わるのかと自分でも驚いた。

  

次回、第2弾として、鶏に対して深い愛情を持つ、タマゴを専門に販売する農家について綴りたいと思う。