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カンボジア訪問記【第2弾】~カンボジア産野菜~

カンボジア訪問記の第2弾として、プノンペンにおける野菜市場について綴る。

 

目次 

 

3つの市場を比べる

今回は3つの市場(一般市場、有機野菜販売店、イオン1号店)について調査した。

それぞれ、価格・品質・売り方が異なっており、それぞれの特徴をまとめる。

①一般市場

プノンペン中央市場に訪問。

簡易的なテントの下で野ざらしで販売する風景は日本ではほとんど見られないが、カンボジアでは主流の販売方法である。

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価格については、日本の1/4~1/5程度である。
リーフ:$1.5/kg(5~6千リエル)
ゴーヤ:$1.0/kg(4千リエル)
パプリカ:$1.5/kg(6千リエル)
トマト:$1.0/kg(4千リエル)
1点、驚いた点としては、全てカンボジア産であることである。 4年前にカンボジアに住んでいた時はパプリカやリーフはタイやベトナムからの輸入が多かった。
最近では国産の野菜が増えている様子。
 
顧客は主にカンボジア人であり、家庭向けやレストラン/ホテルの食事向けに購入。
あるホテルにて当市場から購入した野菜を使ったグリーンサラダ※を食べてみた。
※グリーン/サニーリーフ、ロメイン、きゅうり、パプリカ、トマト、オニオン、オリーブ
価格は外国人向けホテルであるため3.95ドル/プレートと少し高め。
品質について、リーフレタスとトマトは少し鮮度が落ちていたものの、全体的に品質は想定以上であり、納得の価格であった。

有機野菜販売店

3月17日にオープンしたKhmer Organicに訪問。

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 プノンペンから200kmほどあるKoh Kong provincにて野菜を生産。生産方法は伝統的な農法と近代的な技術の組み合わせにより、環境への配慮はもちろんのこと質の高い野菜を安定的に生産できる仕組みを構築。将来的には、有機野菜農家のネットワーク構築を目指している。

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店内はスペースをゆったりとってあり、広々とした印象。

価格はレタスが$0.5/袋(小さい株が数株入り)

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野菜以外に、お米、やし砂糖、野菜の種なども販売。
野菜は比較的安かったため、このような野菜以外の作物で利益を上げている可能性が高いと感じられた。
 

③イオン1号店@カンボジア

2014年6月30日に正式オープン。

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食品はもちろん、多くの専門店や映画館で構成される4階建てのショッピングモールである。
ドリンク、冷凍食品、お菓子など日持ちがする商品については、日本産のものが多く、価格は3~5割増しで販売されていた。
納豆はなんと、300円/3パックで販売。

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野菜については、価格帯に開きがある。
一般なノーブランドのレタスは1ドル/束程度で販売。

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無農薬で国内で生産しているJFP(ジャパンファームプロダクツ)のミックスサラダは

サラダミックス(トマト入り)は$1.3/パックとかなり安い印象。

 

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タイ産の有機栽培のサラダミックスは洗わずに食べられることを売りとしており、$3/袋(100g)とかなり高付加価値で販売。1袋購入して試食したところ、鮮度は多少落ちているが、品質については高く味も美味しかった。特に洗わずに食べられるという点が便利である。

 

 

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まとめ:国産が進むカンボジアの野菜市場

今回はカンボジアプノンペンにおける野菜の市場を調査。

 

 

4年前はタイやベトナムからの輸入が多かったが国産が増えていることが大きな発見である。また、カンボジア産の野菜の品質の高さは想定以上で、生産レベルの向上が感じられた。
一般の市場において、それぞれの野菜の品質や味については大差ないであろうが、イオンなどの小売店では品質と価格に違いがあるため、ターゲットとする消費者に対して訴求方法を変えていく必要があるように感じる。
現段階では売り場に工夫が施されておらず、価格が高い商品の良さが伝わって来ない。

 

今後、高品質の商品を高く売る場合には売り場作りと包装やデザインでの訴求方法を工夫していく必要がある。