気づけば半年ぶりの更新となるが、最近、月1回以上訪れている日本のファーマーズマーケットでの出会いについて綴りたいと思う。
ファーマーズマーケットは奥が深いので3回にわたって、素晴らしい生産者の食品をお伝えする。
今回は第1弾として、納豆に対して強いこだわりを持つ生産者を紹介したい。
ファーマーズマーケットは日本でもいくつかあるが、私は毎週土日に開催されている、青山のファーマーズマーケットによく訪れる。
規模もそこそこ大きく、直販を手掛ける農家にとっては一度は出展を目指すイベントである。
普段、何気なく購入している食べ物ではあるが、値段や種類のバラエティは豊富であり見て回るだけでも十分楽しめると感じる。
そんな中、毎週欠かさず出展しているという、見た目から頑固な岡田さんとの出会いは思い出深かった。
岡田さんは納豆をメインに扱う「岡田発酵工房」の代表で、年齢は80歳を超えているそうだ。
青山のファーマーズマーケットには、毎週出展しているほどとても元気で、話し出すと止まらないくらいエネルギーに満ち溢れている。
毎日、自社の納豆を食べていると仰っていたので、元気な岡田さんをみると、岡田さんの手掛ける納豆のレベルの高さを証明しているように感じられた。
納豆について話を深めていくと、専門的過ぎてほとんど理解できなかったが、「無農薬の自慢の国産大豆を原料に、貴重な納豆菌を用いて生産している」という事実だけは伝わった。
岡田さんに言わせると、市販の納豆は十分な発酵をさせずに、工場の回転率だけを重視した納豆のまがい物だそうである……。
中でも一番衝撃だったのは、日本に出回る納豆のほとんどは遺伝子組み換え大豆が使用されており、たとえ、パッケージの裏側に「遺伝子組み換えではない」と表示していても、遺伝子組み換え大豆の使用割合が全体の5%以下であれば販売しても問題ないというという点である。
この事実を知った時、毎日、納豆を食べていた自分としては何を信用して食品を購入して良いか分からなくなってしまった。
そもそも、遺伝子組み換え大豆が安全か危険かという点については様々な見解があるが、一つの事実として、人間が食べ始めてから20年程度しか経っていないため、人体への影響は誰にも分からないということである。
もちろん、岡田さんの扱う納豆にも遺伝子組み換え大豆が使用されている可能性はゼロではないが、ここまで生産に対して強いこだわりを持ち、精力的に販売を続ける岡田さんなら信用できると思っている。
3パック500円(80g/パック)と市販の3倍ほどの値段であるが、既に自分はリピーターになってしまっている。
顔が見える生産者から買うことは、こんなにも食品に対する見方が変わるのかと自分でも驚いた。
次回、第2弾として、鶏に対して深い愛情を持つ、タマゴを専門に販売する農家について綴りたいと思う。