農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

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ファーマーズマーケットを訪れて【第2弾】~1個100円のタマゴとの出会い~

今回は第2弾として、青山のファーマーズマーケットで出会った、こだわりのタマゴを販売する農家について紹介したいと思う。

 

ファーマーズマーケットにはたくさんの種類のタマゴが販売されている。

その中でもひときわ異彩を放っていたのは、なんと1パック(10個入り)1,000円と、市販の5倍ほどの値段で売られているタマゴである。

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セオリファーム じゅうねん卵

seorifarm.com

 

第一印象は「こんなに高いタマゴを買う人はいるのだろうか?」であった。

そんな高い値付けの背景を知りたくなり、販売者に話を聞いてみることにした。

気になるから話を聞いてみよう! そんな甘い考えから、最後にはタマゴの生産秘話に共感し、市販の安価なタマゴが買えなくなる自分になるとはこの時知る由もなかった……。

 

まず、販売者の第一声には「うちの扱っているタマゴは冷蔵保管すれば1か月以上はもちます!」と、自分の常識では考えられない売り文句から始まった。

そこで私は、「えっ、スーパーで売っているタマゴは賞味期限が2週間程度なのに、なぜですか?」と聞いてみると、待っていましたと言わんばかりに、

「実は、市販のタマゴは採卵後、お湯で洗卵しているのです。しかし、私のタマゴは洗卵していないため、長持ちします。」と自慢げに語ってくれた。
私は、「そもそも、なぜ市販のタマゴは洗卵する必要があるのでしょうか?」と聞いてみると、
「市販で扱っているタマゴの多くは、飼料の栄養価が低く、ニワトリがタマゴを産むときに、一緒に下痢が出てしまうのです。そのため、洗卵しないことには汚くて売り物になりません。一方で、私たちの育てるニワトリは、値は張りますが栄養価の高い餌を与えているので、健康そのものでタマゴを産むときに一緒に出る糞は固形なのです。そのため、タマゴが汚れることがなく洗卵する必要がありません。」
なるほど、タマゴ一つでここまで違いがあるものかと脱帽した。
そんな私の驚いた顔を見て販売者はすかさず、

「実は市販のタマゴを産むニワトリは、狭い小屋の中でひしめきあいながら、早く成長するように抗生物質や成長ホルモンの入った餌を食べさせられて育っています。1パック100円で売るためにはそうするしかないのだと思います。一方で、私たちの飼っているニワトリは放し飼いなので、のびのび育っています。確かに1個100円は比較的高いかもしれませんが、私は市販のタマゴが安すぎるだけだと感じています。」

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    一般的な鶏小屋のイメージ

 

いつも何気なく食べているタマゴであるが、知らない事実ばかりであった。
最後の売り文句に「このタマゴを食べる時は、タマゴかけご飯が一番! 醤油よりも塩で食すのが通です。」と、食べ方までレクチャーされてしまった。

既に私の頭の中は、炊き立てご飯にタマゴをのせて、塩をパッと振って食べているイメージでいっぱいになっていた。 

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そうして、気づいた時には1パック1,000円のタマゴを躊躇することなく購入していた。

 

次回は第3弾として、1日4時間睡眠でも元気な農家さんが扱う世界に一つだけの「黒ジャンボにんにく」について綴りたいと思う。