「農業×DAO」編~超レアな〝農作物〟をDAO型コミュニティのトークンにする!~
あなたは「DAO」の言葉は耳にしたことがあるだろうか?
DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の略語。
日本語では「自律分散型組織」と翻訳されている。
正直、非常に分かりづらい和訳……。
分かりやすい例えで表現しないことには
せっかく、素晴らしい仕組みも広がらない。
そこで私自身、「DAO=社長不在のヨコ型組織」と捉えている。
組体操に置き換えると、
「人間ピラミッドではなく円陣」のイメージである。
今回は「農業×DAO」の発想で、どのような仕組みが作れるかを紹介する。
想像が9割の内容ため、アイデアの一つとして、
楽しみながら読んでいただけるとありがたい。
目次
なぜ「DAO」が注目されているのか?
いくつか理由はあるが、一番大きな要因は「リモートワークの推進」である。
家に居ながら、人と繋がることが日を追うごとに一般化している。
あなたも、一度も会ったことがない人とつながる機会が増えているはずだ。
そんな環境下、「ブロックチェーン」と呼ばれるデジタル技術が
発達したことが追い風となって浸透を加速化させている。
「ブロックチェーン」と言えば、「ビットコイン」を思い浮かべる方が多いと思う。
「ビットコイン」は暗号資産の一つであり、認知度はかなり高い。
2019年の調査では「91.7%」であり、年齢層と比例して認知度が高まる。
※マクロミルとHashHubの調査より(2019年8月)
「ビットコイン」はDAO(ヨコ型組織)で運用されている分かりやすい事例である。
なぜなら、「ビットコイン」を発行しているのは国や組織ではないからだ。
発行数や運用方法は予めルールがプログラムされているため、
誰も介入してルールを変更することができない。
「ビットコインを保有している=DAOに参加している」状態である。
保有した時点で、あなたもビットコインの運用の一員となったも同然である
DAOの特徴は大きく次の3つが挙げられる。
- 世界中の誰もが参加することができる。
- 意思決定はすべて組織内で完結できる。
- 意思決定の透明性が担保できる。
さらに詳しく知りたい方は書籍「ブロックチェーン革命」がオススメである。
DAOの抱える課題は報酬の設定
前項までで、DAOの仕組みやメリットを紹介してきた。
「DAOって面白そう! 早速入ってみよう!」
とは、なかなか ならないと思う。
なぜなら、DAO型のコミュニティは海外のものが主流であり、
英語ができることが前提であるからだ。
さらに、ECサイトでポチる感覚で〝ワンクリック〟で、
カンタンに入れるようなものではないのが現状である……。
もちろん、ビットコインを投資として取引して、
間接的にDAOに参加することは口座開設とお金さえあればできる。
しかし、DAOの良さは何と言っても、
「平等な立場で意思決定をして物事を進めること」である。
ビットコインに投資しただけで 何かの意思決定に参加できないことは
容易に想像ができるはずだ。
そして、一番肝心となるのは、DAOへの参加に対する
「動機=モチベーション」である。
✓ 参加したら面白そう
✓ 自分の得意を生かせそう
✓ 参加者同士のつながりを楽しめそう
など、たとえ〝無報酬〟でも参加する方は一定数はいるだろう。
しかし、参加者全員が好奇心だけで、ボランティアで参加しているわけではない。
DAOは自律的に動く組織形態であるが、
「運営のすべてが無報酬」というわけにはいかない……。
そこで、現状は、「token(トークン)」と呼ばれるコミュニティ内通貨を発行し、
個人の働きに応じて付与する仕組みが主流である。
このトークンに価値を感じないことには、
参加者を集めることはもちろん、働いてもらうことは難しいだろう。
私は「農業×DAO」のコミュニティ構想を実現するために一番重要なポイントは
「トークンをどう設定するか」にかかっていると考える。
超レアな〝農作物〟をトークンにする発想
そこで、「農業×DAO」のコミュニティでは、
トークンを〝超レアな農作物〟と引き換えることを構想している。
ヒントとなるのは、前回のブログで紹介した
1本1万円のネギ「モナリザ」である。
今回は、1万円のネギのさらに上を行く、1粒5万円のイチゴを事例に紹介する。
書籍「ひと粒五万円! 世界一のイチゴの秘密」をもとに執筆している。
一粒なんと5万円……
本書は50歳を過ぎてからイチゴ作りに挑戦した一人の熱すぎる男の物語である。
男の経営する奥田農園は岐阜にある。
奥田農園の奥田さんが生産するイチゴの品種名はズバリ「美人姫」である。
そして、なんと、この品種を開発したのも、奥田さん自身である。
奥田さんはさぞ儲かっているのだろうと思いがちだが、
ひと粒5万円の最高級「美人姫」は年間 数個出るか出ないかのレベルである。
なぜなら、重量は80g/個以上、かつ、品質が担保できることが前提であるからだ。
一般のイチゴの重量は10~20g/個……、
最高級「美人姫」は その10倍近いサイズである。
そのため、奥田さんの収益源はやはり
家庭向けの単価 数百円のプラスチックパックの商品である。
最高級「美人姫」だけでは食べて行けないのが現状である。
最高級のイチゴをトークンと交換する発想
このように、農産物には隠れた超レアなものがたくさん存在する。
そこで、年に数個しか出ない超レアな農産物を写真に撮り、
「デジタル写真としてNFT化」するアイデアがある。
「NFT」について、知りたい方は次の記事を読んでいただけるとありがたい。
「デジタル写真」だけだと、コピーすることは右クリックで出来てしまうが、
NFT化すれば〝唯一無二の担保を証明〟することが可能。
「農業×DAO」のコミュニティには、世界各国の農家さんに参加してもらい、
参加者の貢献に応じて、「超レアな農作物のデジタル写真」を提供してもらう。
参加者は農家さんの支援をすることでトークンを集めて、
最終的には「超レアな農作物のデジタル写真」を手に入れることができる。
この「デジタル写真」は二次流通と言って、転売することも可能である。
何に価値を見出すかは人それぞれである……。
特にヨーロッパでは、農業とアートを掛け合わせて
価値を高めている事例が数多くある。
NFTという素晴らしい技術の浸透により、
「超レアな農作物のデジタル写真」の価値が高まる日も近いと想像する。
農家さんが〝持続的な農業〟を続けられるよう参加者同士で支援し、
貢献に応じて報酬を得られる仕組みがDAOでは実現できるはずだ。
Kindle出版~「農業×DAO」編~
現在、「農業×DAO」をテーマにKindle出版を目指して執筆を続けている。
今回、紹介しきれなかったアイデアや事例を惜しみなく紹介する予定だ。
楽しみにして頂けると嬉しいです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
(生産する農業から想像する農業へ)