農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

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【第2弾】カンボジアの第3の都市 コンポントムへ行く

今回は第2弾と第3弾の2回にわたって、1泊2日で行った農村ツアーについて綴りたいと思う。
 
第2弾では、シェムリアップ州からコンポントム州へ行く道中で起こった日本では考えられない様々なハプニングを思い出したいと思う。
 
今回の目的地はコンポントム州にあるサンボー・プレイ・クックと呼ばれる世界遺産に認定された遺跡である。
私が普段滞在しているシェムリアップからは160kmほどあり、日本でいうと東京から静岡市に行くぐらいの距離である。
日本であれば新幹線で1時間もかからずに行ける距離であるが、今回は目的地に到着するまでなんと7時間以上要した。
すんなり行けば4時間程度で行けるそうであるが、カンボジアで予定通りに進めるわけもなく、日本では考えられない想定外の事態が起こった。
 
まず、バスの出発時刻は朝7時半であった。
朝早かったが、ホテルを7時にトゥクトゥクに乗って出発し、なんとか予定通りにバス出発場所にたどり着いた
今回のツアーをアレンジいただいたのは吉川舞さんという、サンボー・プレイ・クックを起点として、地元に住む方と旅行者が一体となって楽しめる持続可能なツアーを提案されている。
 
舞さんはカンボジア在住歴10年であり、バスの手配は朝飯前の感覚で予約をしてくれていた。
朝、7時半にバス会社の前で合流して一緒に受付へ。
そこで耳を疑う言葉をバス会社のスタッフは発した。
「お客様の予約が確認できません。」
前日にネットで予約したはずなのに、予約が通っていなかったのだ。
実はこの時期、カンボジアでいうところのお盆である”プチュンバン”の時期であったため、予約サイトが想定以上の予約でパンクしたのか、確定の処理がなされていなかったそうだ。
しかし、そんな状況でも舞さんにとってはハプニングと呼ぶほどでもないレベルで、流暢なクメール語でバス会社のスタッフとやりとりし、1時間後のバスを代替で手配する運びに。
私は心の中で、「さすがはカンボジア。スタートからすんなり行かせてくれないのか・・・」とカンボジアの洗礼を受けた感覚で会った。
1時間の時間が出来たため、近くで軽い朝食をとりバスを待った。
 
1時間後、ようやく待望のバスが到着して、少し落胆した。
なぜなら、元々乗る予定であったバスのランクがダウンした上、まさかの補助席に押し込められるという扱いっぷりであったからだ。
(日本ならクレームに繋がりそうなものであるが……。さすがはカンボジア……)
 
乗り心地は良いとは言えないが1時間遅れでようやく出発できたことに少し安心した。
しかし、そんな安心感もひとときの幻で会った。
30分ほど走ったところで急にバスが上下に揺れだした。
地震? 事故? 脳震盪? など様々な想像が膨らんだが、全て裏切られることとなった。
 
バスの下腹部を引きづるような音がした後、ようやくバスが止まった。
「爆発するのか?」
皆、必死に外に逃げる。

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バスの様子
なんと、バスの後方のタイヤが外れて、田んぼに転がって行ってしまったのだ。
その結果、バスの下腹部を引きずることとなり、エンジンオイルがこぼれだしていた。
事故は無かったものの、日本で映画化されて話題となった「空飛ぶタイヤ」を彷彿させる出来事に遭遇したのだ。

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タイヤを失ったバス
そこからあてもなく、炎天下の中、車やバイクで通る人たちが物珍しそうに見ていく中、自分は何も出来ず呆然と立ち尽くした。
日本では考えられない事態に、もはや、為す術もなく、思考停止状態に陥ってしまった。
安心安全が第一の日本で長年生きてきただけに自分のアドリブ力が無さを痛感した。
そんな中、舞さんは別の車の手配などコンポントム州へ向かうために色んな方法を検討してくれた。
 
 
そうこうしているうちに、幸運にも別の大きな立派なバスが到着した!
さすがの想定外の事態に、カンボジアのバス会社も出し惜しみをしていられなかったのか、広々とした車内で補助席ではなく普通の座席に座ることができた。

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快適な車内
普段、ここまでのハプニングに見舞われることは無いそうであるが、ハプニングはアドリブ力を鍛える絶好の機会だと感じた。
次回、同じような機会に遭遇すれば、思考をもう少し働かせられそうである。笑
 
ハプニングだらけの旅の始まりであったが、その後はなんとか大きな問題は無く、舞さんと共に目的地に辿り着くことが出来た。
 
次回は世界遺産のサンボー・プレイ・クックの村でホームステイする中で耳にした「
失われた発酵食品」のついて綴りたいと思う。