みなさんは「食べチョク」という言葉は聞かれたことがあるでしょうか?
食べチョクを運営するビビットガーデンの代表である秋元さんは私と年齢が近いこともあり勝手にライバル視しています。
そんな「食べチョク」は最近、カンブリア宮殿でも取り上げられて、日に日に注目と勢いを増しています。
今回は代表の秋元さんが執筆された著書「365日 #Tシャツ起業家 「食べチョク」で食を豊かにする農家の娘」をもとに私との共通項について綴ります。
目次
まずは退路を断つことがスタート
秋元さんはDeNAで働いていたが、農業ビジネスをやりたい一心で退職を決意。
とは言いつつも、副業で農業ビジネスを立ち上げていたわけではなく、退職してから事業構築に取り組んだ。
もちろん農業ビジネスからの収入はゼロだったので、DeNAのキャリアを生かして週2日はフリーでWEBマーケティング領域でコンサル案件をこなしていた。
逆に言うと、コンサル案件以外の時間である残りの週5日は休みも無く、1秒でも早く農業に還元できるサービスを考えていたとのこと。
私も2020年11月にあてもなく独立して、農業コンサルタントとして収入を確保しながら、新たなサービス立ち上げに尽力しているので秋元さんの過去の頑張りには共感せざるを得ない。
私自身、独立して半年ではあるが、退路を断つと自然に新たな道を開けることは実感している。
サラリーマンとして働いているときには出会えなかった人や場所に行くきっかけを得ることができている。
恐らく、秋元さんも退路を断ったからこそ、いまのような「食べチョク」という大きなサービスを作れていると感じる。
「IT」という言葉に嫌悪感を示す農家さん
私もそうであるが、秋元さんもDeNAというキャリアを経ているので「農業×IT」がキーワードであった。
しかし、「ITの知見を生かして事業をしたい」と農家さんに伝えると拒否反応を示す方が多かったとのこと。
背景として、農業ビジネスに可能性を感じて参入した多くのIT企業が。収益化が見えず2~3年で撤退したことがある。
そこで秋元さんは「IT」というキーワードを捨てて、自分自身が農家出身で農業のことをもっと知りたいという気持ちで農家さんに訴えかけていく。
その結果、少しずつ農家さんの信用を積み上げていき、今では4000軒を超える生産者が「食べチョク」へ出品している。
私自身、「IT農人(イートノート)」という社名で事業構築に取り組んでおり、ITというキーワードを軸に活動している。
5年前と時代が変わってきているのか、一緒に活動している農家さんに「IT」にアレルギー反応を示す方はいない。
一つ大きな理由としては、私が繋がる農家さんはClubhouseやInstagramのようなITサービスで繋がっていることが背景にあることは間違いない。
サービス開始初月は売上10万円
「食べチョク」は2017年5月にサービスの原型が完成した。
驚くべきは、サービス開始時期にPRの大手である「PR Times」でランキング1位になり、FacebookやTwitterで話題になった。
しかし、サービス開始初月は売上はふたを開けてみると10万円、手数料20%のため手数料収入はたったの2万円。
当日、出品する農家さんは20軒ということもあり商品ラインナップが限られたこともあるかもしれないが、かなり厳しいスタートを切った。
気持ちを切り替えて正式なリリースを2017年8月に見据えて47都道府県の農家さんに協力を仰いでいく。
結果、3倍の60軒の農家さんの協力を得るところまで持っていく。
しかし、現実は残酷で秋元さんの努力を裏切る形となる。
なぜなら、8月の売上はたった4万円、手数料収入は8千円。
諦めなければ失敗は確定しない
そんな厳しい現実を目の当たりにしても秋元さんは諦めなかった。
それはご自身の原体験がエネルギー源になっていると想像できる。
実家の農業が廃業するという悲しい過去を背負い、同じ想いをする人を一人でも減らしたいという強い志があった。
そのため、十字架を背負うように、雨の日も冬の日も半袖のTシャツを着続けて現場主義を貫いた。
結果、現在では8億円の資金調達にも成功し、売上も数十億を実現し、上場する可能性が大きく開けてきた。
カンブリア宮殿では「上場したときには一つの通過点としてTシャツを脱ぐ」と仰っていた、
上場はゴールではないと思うが、一つ世に成果を認められているという証明になる。
IT農人は食べチョクを上回るサービスを作る
冒頭でも少し言及したが、私は「食べチョク」を勝手にライバル視している。
私の祖父母は米農家で父は農家の下で育ち苦労した過去がある。
そのため、父からは「農家にだけは絶対になるな」と口酸っぱく言われてきた。
しかし、健康に生きるために絶対に必要な食の生産に携わる農家さんが儲からない仕組みはおかしい。
私もそんな常識を覆したいという想いは秋元さんと同じである。
そのため、Farm-Codawaryというサービスを立ち上げて、農家さんの出品手数料をゼロにすることを一つの差別化ポイントとする。
もちろん、手数料をゼロにしたからといって、「食べチョク」のサービスを超えられるとは思っていない。
こだわりを持って農作物を作った農家さんの商品を高単価で売れる仕組みを作ることが次に重要なテーマとなる。
現在では6軒の生産者から出品したいという希望を頂いている。
食べチョクが現在抱える4000軒とは程遠いが、少しずつ実績を積み重ねて頭角を現していきたい。
まだまだ微力ですが、応援いただけると幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。