農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

新たな農業のカタチの実現を目指して「Metagri(メタグリ)」をキーワードに活動

【新サービス】Farm-Codawary(ファームコダワリー)~こだわりの一品を限定的に販売するプラットフォーム~

Farm-Codawary(ファームコダワリー)は今のところ世の中に存在しない言葉です。

今回は、そんな新たな言葉が世に出る前に、サービスの紹介をします。

最後まで読んで頂いた方には特別な特典がありますので楽しみにしていてください。 

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ファームコダワリー

目次

 

Farm-Codawary(ファームコダワリー)とは?

Farm-Codawaryとは、「こだわり」と併せて次の3つの言葉が混ざり合った、「農家のこだわりの一品」を限定的に販売するプラットフォームである。

  1. ファームワイナリー
  2. デリバリー
  3. ファミリー

まずは、一つ目から順番に説明していく。

1.ファームワイナリー

一つ目はファームワイナリーとして、小規模で高品質のものを熟成させているというブランド化を意識している。
ファームワイナリーとは、米国において農場が敷地内でワインを製造・販売することを許可したワイナリーライセンスである。

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生産から醸造まで

そのため、農場内でワイン原料の果実を生産し、ワインの醸造まで手掛ける。

私がマンゴーの木を植樹している、カンボジアの農場でも同様の取り組みで、生産したマンゴーを農場内でワインを醸造している。

villagehunter.hatenablog.com

このように、小ロットだが高品質な商品を扱うという目標を掲げて「ファームワイナリーに」を軸に名称を作った。 

2.デリバリー

2つ目はデリバリーとして、産地直送であるため、農家さんから各家庭へ直送し新鮮なものを提供。 

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生産地から最高品質でお届け!


農産物のおいしさ4大要素は「鮮度・旬・栽培・品種」である。

野菜の味を決める7つの要素 | 松本自然農園

そのため、Farm-Codawaryでは、栽培にこだわりを持って作った旬の農作物を採れたてすぐに直送する。
それが、ぜいたくな味わいに繋がり、食べる方々の感動を呼ぶ。

3.ファミリー

最後の3つ目はファミリーとして、家族経営のような中小規模の農家さんに限定して商品を扱う。

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家族の贈りもの

中小規模の農家さんに限定しているかは、過去にも言及したが、「農作物の多様性や持続可能性」を実現するためである。

villagehunter.hatenablog.com

それは、生産地に住居を構える家族経営の農家さんは後続の世代まで考えて農業に従事していることにある。小規模でありながらも土地を使い捨てるという考えではなく、長期的に持続できるように努力していると考える。
持続可能性を追及するために、土壌のバランスを考えて、複数の作物を輪作する農家さんが理想である。

 

こんな「こだわりの一品」を提供頂く農家さんに報いるために、IT農人(イートノート)という法人では、購入者は”紹介制度”で開拓していく。

この”紹介制度”の背景には、農家さんの中には直接販売する場合、「知らない人に売るのはリスクがあって怖い」という方がいるためである。

また、小規模のため出品する農産物の出荷量も限られているため、たくさんの注文には耐えきれないということも背景にある。

「Farm-Codawary」では、農家さんが安心して出品でき、無理な生産をしなくても持続できる仕組みを構築する。理想的には、一度食べて頂いた購入者が大切な家族や友人のために購入してプレゼント頂けるような流れも作っていく。

初期段階では、”麻薬トマト”として美味しすぎて市販トマトが食べられなくなるトマトや、食べてすぐに甘みが口の中に広がるトウモロコシや、鮮度が命のイチジクを販売予定。

農家さんにとっての売上は微々たるものかもしれないが、市場出荷では得られない、購入者からの感動や感謝の声が直接聞ける場に育て上げていく。

リリースはまた、ブログでも紹介しますので期待して頂けると嬉しいです。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

特典

今回、特別に下記に応募頂いた方には「Farm-Codawary」で扱う、第1弾の商品を購入する権利をプレゼントします。

Farm-Codawaryで扱って欲しい商品やサービスがあれば、全力で探してくるので教えて頂けると幸いです。

airtable.com

【新サービス】「イナカエル」~もう都会にいる理由が見えない!?田舎に帰って蘇り、日本を変える!~

「イナカエル」という、移住・就農支援サービスを立ち上げるために、近々、山口県宇部市にて半住スタートを予定。

そこで、今回は、「イナカエル~もう都会にいる理由が見えない!?田舎に帰って蘇り、日本を変える!~」をテーマにどのようなサービスを始めるか綴る。

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田舎へ飛び込む、イナカエル

目次

 

イナカエルとは?

イナカエルには田舎へ帰る以外にも3つの意味を含んでいる。

  1. 田舎から日本を変える
  2. 第2の人生として田舎で蘇る
  3. 田舎の方々がひっくり返る

まずは、一つ目から順番に説明していく。

1.田舎から日本を変える

今回の事業の着想は、先週3月23日~25日に山口県宇部市に弾丸ツアーで訪問したことがきっかけ。
そのツアーをとおして、首都圏では出会えないような自身の住む地域を変えたいという、ベンチャースピリットを持った熱い想いを持つ方々にお会いした。
その方々の力を終結させれば、田舎から日本に良い影響を与えられると考えた。
そのため、「イナカエル」を通して、首都圏にいる方々も巻き込んで、事業を推進したい。

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ベンチャースピリットを持つ方々

2.第2の人生として田舎で蘇る

首都圏から田舎へ移住を促すだけでなく、就農支援はもちろん、リモートで実現できる仕事を紹介していく。
というのも、移住1年目で農業からの収入だけに頼ることはリスクが高すぎると考える。そのため、リモートワークを前提として、企業からの仕事をこなしながら、農業も小さく始めるというモデルを描く。
理想的な状態は、田舎であっても複数の収入源を持つことにより、首都圏よりも可処分所得が増える仕組みを作ること。

田舎でやりたいことを追及しながら、生きるうえで本来のあるべき姿を実現できる第2の人生を提供する。

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田舎の不便さが魅力

3.田舎の方々がひっくり返る 

首都圏から田舎に移住するにあたり、一番気になるのは田舎の方々との関係性である。
ムラ社会であればあるほど、田舎の方々の警戒心は強い。
そのため、「イナカエル」では移住者と田舎の方々のハブのような存在となるべく、田舎の方々が驚くようなサービスを提供することで関係を事前に作り上げる。
例えば、地域で力を上げている農産物をネットを通じてPRしたり、高級レストランへ導入支援することでブランディングを代行する。
そのブランディング代行業を移住希望者と共に手掛けることができれば、一緒に信用を積み上げることが可能となる。
今まで不可能と考えられていたことを実現し、田舎の方々がひっくり返るくらいの実績を作ることが目標である。
信用を積み上げて「イナカエル」に対して、尊敬の念を抱くまでに発展させることができれば、移住してくる方々もすんなりと受け入れてもらえると考える。

 

まずは自分が「半住」で事業モデルを創り上げる

このような「イナカエル」という事業を作り上げるためには、まずは自分自身が田舎で移住生活を体現する必要がある。
そのために、近々、軸足を宇部市に移そうと考えている。
自身が半住を実現するまでの過程はもちろん、移住後の生活もコンテンツにしていく。

 

とは言いつつも、既に、移住や就農支援サービスを提供する事業は数多く存在する。
そのため、次回は既存のサービスとどう差別化して、「イナカエル」独自の価値を提供するか綴る。


今回も最後まで読んで頂きありがとうございます!

有機?無農薬?どんな食べ物を選べば健康になれるのか?

「無農薬は商品のラベルに記載してはいけない?」

じつは”無農薬”と記載することは、農水省ガイドラインではNGである。
一方でスーパーの店頭には色んな趣向を凝らした表示が乱立している。
では、どのような農作物を選べば、安全に健康になれるのかを綴りたいと思う。
農業や農産物には唯一の正解はないため、何を選ぶかは作り手の価値観をどこまで信じているか次第。
 

そもそも、自然栽培や有機栽培ってなに?

スーパーに行くと、JAS認定(有機栽培)や自然栽培や栽培期間農薬不使用などたくさんの表示がある。

これらの中で生産観点から一番難しいのは肥料・農薬を使わない「自然栽培」である。
次に、有機栽培の証明であるJAS認定を取得するためには、菜種油から作った農薬のような特定の有機資材の使用に限定されている。
栽培の定義はあるものの、常に検査をするわけではないため、正直、その表示の根拠や正しさを100%証明するのは不可能に近い。
私自身、植物工場野菜をつくるの事業に携わっていたときに、パッケージのデザインや文言を企画していた。
どうすれば、お客様に刺さるPRを表現できるかという視点でデザインしていた。
PRの一つとして「栽培期間農薬不使用」という文言で農薬を使っていないこと強調。
「無農薬」と記載することは、農水省ガイドラインではNGのため、栽培期間は農薬を使っていないという文言にとどめていた。
たとえ、栽培期間に農薬を使っていないとしても、種の生産に農薬を使っている可能性や、栽培で使う水に農薬が含まれている可能性がある。そのため、栽培期間内外問わず、農薬が混じるあらゆる可能性が拭いきれないため「無農薬」という文言は使用できない。
一方で、植物工場野菜を育てるために、化学肥料を使っていたことは敢えて記載していなかった。もちろん安全性が認められている肥料を使っていたが、「化学肥料」と書いてしまうと人によっては”危ない”というイメージを持つ可能性を感じたからである。
実は、水耕栽培で農産物を大量生産するにはどうしても「化学肥料」が必要となる。
 

では、どのように農作物を選べば、安全なのか?

どこまで「生産者」のことを知っているか、どこまで自分から一次情報を取りに行っているか次第である。
「最新医学でわかった新健康常識 」という著書にも記載があるが、有機栽培の食べ物は必ずしも健康にいいとは証明しきれないのが現実。
 もちろん、有機栽培の農産物の安全性は高いかもしれないが、「食べて健康になった」という証明がほとんど存在していない。

 

仮にスーパーで野菜を買う場合、有機栽培や特別栽培と書かれている農産物の生産者のことをどこまで知っているだろうか?

直売所コーナーであれば、農家さんの名前や写真があるかもしれない。しかし、売場にある情報は非常に限られている。

私が手掛けていた植物工場野菜もそうだが、スーパーにある情報は他の商品との差別化のために良いことを書きがちである。
手間ではあるが、自分から一次情報を取りに行く行動を起こさないことには何が良いかは判断できない。
 

これからの時代は”ファン”との繋がりがさらに重要

農産物の選択にあたって”ファン”が重要にはキーワードになると考えている。
著書「ファンベース」によると、”ファン”とは野菜や製品やサービスを作る人の価値観を支持する人たちであると定義。
 

 

私は納豆とマヌカハニーのファン

私の場合、「納豆」や「マヌカハニー」は特定の生産者から購入している。それぞれ毎月5,000円、年間で12万円程度購入している。そして、毎日のルーティンでその二つを組み合わせて食べている。 
納豆との出会い
それは既に3年前のことである。ファーマーズマーケットで販売している岡田さんのお話で豆の生産へのこだわりはもちろん、納豆菌を厳選して時間をかけてゆっくり発酵しているというところに共感。そこから通販で毎月取り寄せている。 
マヌカハニーとの出会い
マヌカハニーとはニュージーランドの植物「マヌカ」の木に咲く花から採れる蜜だけ使用しているものである。効能として、悪玉菌に対する殺菌効果に優れており、喉の痛みや風邪予防に最適である。
しかし、「マヌカハニー」とネットで調べると様々なメーカーや商社のサイトがある。私自身、直接現場に行って生産を見たわけではないが、「マヌカヘルス社」の商品を愛用している。なぜなら、持続可能性と安全性を追求するために、厳しい定期検査を実施しているからである。例えば、グリホサートという除草剤に含まれる成分は蜂の大量死に繋がる。そのため、そのような成分が含まれていないかをしっかり調べている。それは蜂蜜の生産だけでなく、生産地における生態系のバランス維持にとっても非常に有効な検査である。

納豆もはちみつも、単価が一般的な商品と比べて5倍以上と高いが、ストーリーや効能に惹かれているため乗り換えるという発想は今のところない。
 

何を選ぶかは何をどこまで信じるか

健康な食を手に入れるためには、自分が納得行くまで情報を集めて考えて購入に繋げる必要がある。当たり前の「健康」を長期間維持するためには努力が不可欠。
手軽な行動として、「近所の直売所で農家さんから買う」ことや「農作業のお手伝いをする」がおすすめである。

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生産者にとってもファンは重要なキーワード

「儲かる」という漢字は「信じる者」と書くことから、どれだけ顧客から信用を得るかが生産者にとっても重要である。
パレートの法則(2:8の法則)として、売り上げの8割は2割のファンが支えていることがデータで裏付けされている。

著書「ファンベース」では、カゴメさんの事例が紹介されており、主力製品であるトマトジュースは上位2.5%のコアファンが一人当たり年間8万円も購入している。なんと、売り上げの30~40%もコアファンが占めているという事実。
さらに、ファンを大事にすることで、口コミを通じて自然にその価値が広がっていき、売り上げの増加に貢献する。
新規の顧客獲得のために広告宣伝費をかけるよりも、2割のファンを笑顔にすることが持続可能な事業に繋がる。 

まずはリピーターを大切にする

ファンとの関係強化のために顧客リストを見直すことが一番の近道であると考える。直売所やECのような直販でリピートして何度も買ってくれている人は潜在的なファンである可能性が高い。メールやSNSで繋がるきっかけを作れば喜んで惹かれている点を教えてくれるかもしれない。そして、自身が気付けていない価値観があればそれを磨くだけで、さらなるファン作りに繋がる。
また、圃場でイベントを開催すれば、ファンであれば自腹で駆けつけてくれる。そこで、ファン同士の愛する気持ちをぶつけ合う場を提供すると横のつながりも強化され立派なファンクラブになる。

 

法人立ち上げもファンがカギ

現在、私自身が立ち上げを準備している会社「IT農人(イートノート)」では、既に関わるメンバー12人がファンの一員として活動してくれている。

villagehunter.hatenablog.com

各メンバーはレシピ作りをしたり、Clubhouseで活動の宣伝したり、新たなメンバーを探したり、農業用システムを作ったり、こだわって作ったトマトを惜しみなく配ったり、皆が自身の得意分野を生かして活動している。
まだ法人でもなく、マネタイズさえもできていないのに、そこまで楽しく関わってもらえているのは、価値観※に共感してもらえていることが大きい。

※「良い人たちとの関係を大切にして、健康に生きるために良質な食事を食べることを分ちあう世界をつくる。」

 

私自身もファン作りを大切にして、新たな事業構築に取り組みたい。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

音声でも配信しています。

stand.fm

 

【番外編】今日はバレンタイン!トマチョコレシピでヘルシースイーツはいかがですか?

「トマトとチョコを掛け合わせるとどうなるんだろう?」
そんな疑問からレシピ開発が始まった。

今回、山口県宇部市で環境モニタリングシステムを導入し、持続可能な農法に取り組む三浦農園のトマトを扱う。
そして、レシピ開発頂いたのはおもてなし料理研究家として活躍される幕内明日香さん。
https://www.instagram.com/asuka_makuuchi

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今日はバレンタイン!
他とはチョット違うヘルシーのトマチョコレシピで大事な人のプレゼントづくりはいかが?

「トマトとホワイトチョコのムース」

デザートというよりは、前菜にオススメの一品。
ゼラチンではなく、本葛粉を使った、カラダに優しいムース。

【材料(2人分)】
・トマト 1個
・トマトピューレ 1/2カップ
・ホワイトチョコ 50g
・生クリーム 50cc
・本葛粉 10g
・豆乳 1/2カップ
・塩 適量

【作り方】
1. 湯向きしたトマトを角切りにカットする。
2. 1のトマトとトマトピューレ、生クリーム、塩を鍋に入れ、火にかけ、とろみがついてきたら、ホワイトチョコを入れ溶かす。
3. 豆乳でよく溶かした本葛粉を2に入れ、ダマにならないようによく混ぜ、とろみがついてきたら火を止め、耐熱グラスに流し入れる。
4. 冷蔵庫で2時間以上、冷やす。
5. フォームした豆乳(分量外)を4の上に流し入れ、完成。

「トマチョコとピスタチオでマンディアン」

チョコの甘さにトマトの酸味が絶妙なバランス!
チョット塩味も加えるので、ピスタチオ香るおつまみトマチョコに。


【材料(2枚分)】
・トマト 2個
・ピスタチオ 15粒
・ホワイトチョコ 150g
・塩 適量

【作り方】
(下準備) ドライトマトを作る。
1. トマトは洗ってヘタを取り、縦1/3に切り、スプーンで種を取り除いて、キッチンペー
パーに切り口を下にして置き、表面の水分を取る。
2. 天板にオーブンシートを敷き、切り口を上にして並べ、塩をまんべんなくふる。
3. 130°Cに予熱したオーブンに入れて1時間ほど焼き、1度天板をオーブンから取り出
し、トマトから出てきた水分をキッチンペーパーなどで拭き取ったら、さらに120°Cで
30分焼く。
4. 天板にのせたまま、風通しの良い場所で完全に乾かす。(セミドライくらいがおスス
メです)
1. ホワイトチョコを湯煎で溶かす(お湯の温度は60°C程度)。
2. バットに1を流し入れ、ドライトマトとカットしたピスタチオを上から散りばめる。
3. 冷蔵庫で2時間以上、冷やし固め、取り出したら完成。

コロナをきっかけに私たちの食はどうかわるのか?

「ゆるベジ」という言葉は聞かれたことがあるでしょうか?

私自身、ビーガンやベジタリアンは知っていたが、この「ゆるべジ」という言葉は「コロナ後の食と農」を読んで始めて知った。 

今回は「ゆるベジ」というキーワードをもとに、「コロナをきっかけに私たちの食はどうかわるのか?」というテーマで綴る。

 

目次

 

そもそも「ゆるベジ」とは

野菜や果物や豆類を中心とした食生活にすることで私たちの健康だけではなく、地球にとっても負荷が減る食生活を目指す取り組みである。

vegeness.com

免疫力を高めて感染症にかかりにくい身体づくりを実現できる。

とはいいつつも、「ベジタリアン」ではないので、必ずしもお肉を食べてはいけないということはない。
あくまで、牛や豚を育てるためには地球に負荷がかかりすぎるため、極力、食べ過ぎないように注意する意識が大事との考え。

 

いままでの大量生産・大量消費は重要なコストを見落としている

「ゆるべジ」の習慣はもちろん、日本では、自然栽培や有機栽培で生産した農産物はまだまだ一般的ではなく割高感が強い。

そのため、お金に余裕がある人が買うものという見方が多数を占める。

では、なぜ、自然栽培や有機栽培ではない方法で生産した農産物は安いのか? 

慣行農業ではトータルなコストが反映されていないからなのです。環境や健康への悪影響といった外部不経済の代償は社会が支払っている。*1

それは、農業によって破壊される地球環境のコストが反映されてい無いためである。
例えば、広大な土地でレタスのような単一作物を作るために、農薬散布車で農薬を振りまく。

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農薬散布イメージ

その結果、たしかに、病害虫予防は実現し、広大な土地を少ない人員で管理できる。
一方で、「慣行農業」はメリットばかりではない。
農薬散布により土壌内の微生物まで殺してしまいバランスが崩れるため、環境保全や持続可能性の観点からは大きなデメリットである。
そんなデメリットはスーパーの店頭価格に反映できないため、最終価格は安く抑えることができる。
では、そんな見えないコストは誰が負担しているのでしょうか?
それは「我々の子どもの世代」であり、未来に残す借金と言っても過言ではない。


30年前から未来からの借金返済に取り組む企業

ここで「らでぃっしゅぼーや」という企業を「社会起業家が〈農〉を変える」という本をもとに紹介する。


現在、OISIXと統合して「オイシックス・ラ・大地」という社名で活動している。
実は、「らでぃっしゅぼーや」が発足したのは30年ほど前に遡る。

創業者が「大量消費と大量廃棄」に疑問を持ったことが創業の背景にある。
社名の「らでぃっしゅ」は日本語で二十日大根を意味しており、荒れ地でもよく育つ強い生命力を持つ。
また、「RADIX(ラディックス)はものごとの根源を意味するラテン語でもある。
そして「ぼーや」は子どもたちであり、次世代を意味している。
そのため、社名にはものごとの根源である人間や動植物や自然環境を、どんなことがあっても未来へ繋げていくという強い気持ちが込められている。
SDGsへも積極的に取り組んでおり、17の目標のうち9つの目標を目指して、野菜販売や加工事業に取り組んでいる。


時代は確実に変わりつつある

新型コロナをきっかけに、多くの方々が健康や食への意識を高めているように感じる。それは、食べチョクやポケットマルシェのような農家さんから直接買うサービスの売り上げが急増していることからも読み取れる。
家で食事をする機会が増えて外食が減った結果、少しずつ、食材にこだわる方が増えているのかもしれない。

もちろん、農家さんから直接買うサービスは、各個人宅へ農家さんが配送する必要があるため手間がかかる点は課題である。
とはいいつつも、長期的に地球の健康を維持する環境負荷の低い食材を購入する人が増えているという点はポジティブである。

 

新型コロナは地産地消のリハーサル?

コロナウイルスの危機は、すべての人々が栄養価が高い食べ物を手にできるローカルなフードシステムに向けた大きな国際的な取り組みのリハーサルにすぎない*2 

環境負荷の低い食材を買うだけでなく、自身で農産物を育てる方が増えていることも追い風である。

実際、近所で私自身が借りている「シェア畑」は昨年から定員が埋まっている。
特に、2020年4月に緊急事態宣言が発令されてからシェア畑の申し込みの問い合わせが急増したとのこと。
もちろん、在宅続きの中、自然に癒しを求める方も多くいると想像できるが、食料を自給するニーズも高まっていると言える。


この追い風に乗ることが重要

私自身、現在、「IT農人(イートノート)」という会社の立ち上げに取り掛かっている。現在、既に12人のメンバーとともに、”IT”と”脳”を駆使して、"農人"(持続可能な方法で生産に取り組む農家さん)をサポートしている。 

直近では、スーパーや直売所には出荷できない、規格外野菜の販売システムの導入を進めている。
ECで販売するとどうしてもサイト構築や販売手数料はもちろん管理の手間が発生する。
そのため、ECサイト構築に二の足を踏む小規模農家さんは数多くいらっしゃる。
IT農人のメンバーではそんな課題を解決するため、「Airtable」という無料のノーコードツールを活用して、シンプルなシステム構築に取り組む。 

airtable.com

また、システム開発と並行して、メンバーのトマト農家さんのブランディングのために、バレンタイン企画でおもてなし料理研究家とコラボしてトマチョコレシピを開発。

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トマチョコレシピのご紹介

時代の変化は大きなビジネスチャンスと捉えて、メンバーで楽しみながら、様々な形で関わる人々が”濃い”人生を送ることを実現したい。

 

今回の内容は音声でも配信しています。

stand.fm

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。 

*1:P30

*2:P133

楽しくマンガで学ぶ「日本の農業の危うさ」

「弱い産業だからって農業が国からの保護されているからだよ」

「農業だけじゃない 医療も同じで弱いからって保護されて……」
「保護されるとされるほど弱くなっていく」
エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(8)より

 これは、エンゼルバンクに登場する弁護士の桜木が放つ言葉である。

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エンゼルバンク10巻から学ぶ

今回は、エンゼルバンクというドラゴン桜の作家の三田先生が描かれたマンガから、「日本の農業」について綴る。 

 
目次

結論

厳しくて偏りがある意見の数々であり鵜呑みには出来ない。
一方で、刺激的な表現だからこそ農業を客観的に見つめ直すきっかけになる。
 

刺激的な3つの指摘

マンガの内容をもとに3つの主張と私の考えをまとめていく。
  1. 日本の農業は補助金漬けであり事業として成り立っていない
  2. 農家は儲からない農業を「天気や政治家」の責任と言い逃れをする
  3. 日本は選択肢が少なく貧しい国

※マンガにある表現より要約

 

1.日本の農業は補助金漬けであり事業として成り立っていない

ある意味では正しい見解と考える。
日本の農業は補助金を獲得するために、敢えて高い資材や設備を購入することがあるのは事実。
マンガに出てくる農業ベンチャー(株)アグリカルタスの中谷 和樹CEOは、海外から低価格で高品質の資材を仕入れる。
あくまで、日本の補助金を活用しないという方針で農業を経営している。
確かに補助金ありきで事業計画を書いてしまうと、長期的に農業経営が立ち行かなくなるというのは一理ある。
一方で、欧州と比べると日本の農家の所得における補助金の割合は決して高くない。
著書「日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム 」によると、農業所得に占める補助金の割合は下記の通りである。
イギリス91%、フランス95%、ドイツ70%、スイス105%。
日本はわずか35%。*1

 
このように、日本の農業に対する補助金は多くないという数字があるのは事実。
さらに、補助金は農家さんのためというより、わたしたち消費者のためでもある。
なぜなら、田畑の周りの草刈りや水路の整備や道路の補修など、数え切れない原価に反映しきれないコストがある。補助金がないとどうしても最終価格が上がってしまう。
そのため欧州では農家への補助金を手厚くして、公務員のような形で国境や景観を守る役割と見なされている。
 

2.農家は儲からない農業を「天気や政治家」の責任と言い逃れをする

マンガには、仮に天候に恵まれなくても、不作の原因は自分にある。
自責の精神が必要。

もちろん農家さんによるところが大きいが、私が出会った農家さんたちは、天候も含めて自責の精神で取り組んでいる。

例えば、山口で出会ったなす農家さんは台風に備えてソルガムを育てている。
結果、風除けとして効果を発揮し、台風が来ても最小限の影響に留めている。

villagehunter.hatenablog.com

また、千葉の三つ葉農家さんは、農薬散布の量やタイミングを季節や気候に応じて仕組化することで病害虫を激減させている。

これからの時代を生き残り、さらに進化する農家さんは自責の精神が重要という点はその通りである。

そして、そんな農家さんは農業界に増えていると肌で感じる。

 

3.日本は選択肢が少なく貧しい国

たとえ、物が溢れていたとしても、選択肢が一つしかないのであれば、豊かとは言えないという意見である。

この考えは私も大いに賛成である。

実は、日本に出回る農産物は品種に偏りがある。

マンガにも取り上げられているが、例えば、「トマト」の場合、日本に出回る8~9割が『桃太郎』という品種である。

この『桃太郎』は日本のトマト業界に良い意味でも悪い意味でも革命を起こした。

https://noguchiseed.com/hanashi/imamukashi2.html

『桃太郎』が開発される前までは、熟れたトマトは出荷の際に、輸送途中で傷んでしまうという問題があった。
そのため、果実全体が緑色のうちに収穫され、箱に詰めて出荷していた

一方で、『桃太郎』は品種改良して果実を硬く赤くしているので、完熟して出荷することが可能となった。

とはいいつつも、『桃太郎』にも大きなデメリットがある。
それは、『桃太郎』がハウス内で育つ前提に品種改良が進められたことに起因する。
ハウス内で安定生産や生産性を向上させることに開発が進んだ結果、自然環境では育つことができない、「箱入り娘のような品種」となった。
そのため、雨に弱い品種であり屋外では栽培しづらい。

単一品種に偏ってしまうと、気候変動リスクへの耐性がどうしても低くなってしまう。多品種を育てることは、日本全体で安定生産に繋がるだけでなく、同じ農産物でも色んな味わいも楽しめる。

 

エンゼルバンクに登場する弁護士桜木は日本の農業に対してかなり辛口である。
そんな辛口な意見だからこそ日本の農業を見つめ直すきっかけになったのは事実。

農業以外にも色んな産業についてに読みやすくまとめられているので、ぜひ楽しみながら読んで頂けると嬉しいです。

 

 

今回の内容は音声でも配信しています。

stand.fm

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

*1: 日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム

在宅が続くなか「農」でストレスを吹き飛ばす3選

「緊急事態宣言を1ヶ月延長します!」
なんと、2月7日が期限の緊急事態宣言が1ヶ月延長されてしまった。。。
来月になっても果たして解除されるのかは未だ不透明な状況である。
今回は、緊急事態宣言が延長されて外出自粛が続いてストレスが溜まる中、農に関わることでストレスを吹き飛ばす方法を綴る。

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コロナ疲れに!
目次

結論

今回紹介する3選の方法で「農」に関わることで、自然の緑はもちろん、人とも関わり、食や生活が豊かになる。
 

厳選された3つの方法

  1. 近所の直売所で農家さんから買う
  2. 農作業のお手伝いをする
  3. 近所の貸農園を借りる
方法を3つに厳選したので簡単の始められる順番にそれぞれ紹介する。
 

1.近所の直売所で農家さんから買う

たとえ、都内や都市近郊であっても「直売所マップ」とネットで検索することで、近所で販売している農家さんを見つけらる。
私の場合、船橋市役所が提供している「農水産物直売所マップ」をもとに近所の農家さんを探した。
大産地である千葉県ということもあり3㎞圏内に4件ほど見つけられた。
いつも通っている直売所は朝早くから販売されていて会話をしながら買い物している。
今の旬の野菜は、ほうれん草や長ネギや里芋など。
何度も通っているうちに、おまけを頂くこともあり、買いに行くのが楽しみの一つになっている。
 

2.農作業のお手伝いをする

農作業のお手伝いをするには農家さんと繋がること必要となる。
先ほどの直売所の農家さんと仲良くなって手伝うのもありだが、今は農家さんと繋がるマッチングアプリが存在する。
「農Mers」や「アグリトリオ」というものであり、すき間時間に手伝える人を募集。
※「農Mers」は農家さんと利用者の両者にとって無料サービスである。
私の場合、「農Mers」を活用して近所の三つ葉農家さんと出会った。
週1回ほどお手伝いに行き、楽しく作業させて頂いている。
自分の空いた時間に数時間で手軽にお手伝いできるのが便利である。
もちろん、農作業をするのでちょっとしたお小遣いも頂ける。
身体を動かせるのはもちろん、緑に囲まれて作業するので癒しになる。
何度も通えばおまけで新鮮な採れたて農産物を頂ける可能性も。

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水耕で育った新鮮な三つ葉

3.近所の貸農園を借りる

最後は、極小の畑を借りて、自分で一から作物を育てる方法。
都市近郊であれば、「シェア畑」や「ふるさと農園」のようなサービスがある。
月額1万弱程度の費用と週1回訪問の手間はかかるが、一から携われるのでやり甲斐や達成感が味わえる。
先ほど紹介した、2つの方法を試してみて、もっとやりたいと感じた方にオススメの方法である。
私の場合、家から5kmのところにシェア畑があり10m2のサイズで借りている。
ワンルームマンション半分ほどの小さな規模で、作業内容は虫取りや収穫など1回あたり30分くらいの時間でできる。
10月からいちごや大根や白菜などを育てていたが、冬の時期は作物が育たないため、いちご以外は収穫済みである。
シェア畑の場合、スコップやハサミなど作業に必要なアイテムは月額料金に含んでいるため、手ぶらで行けて楽しめる点が便利。
また、管理者の方も畑にいらっしゃるので、栽培で不明点あれば親身になって教えてくれるという手厚いサポート付き。
これから農業をやりたいけど、何を育てたらいいか、どうやってやったらいいか知りたい方にはお試しで1年間やるのもあり。
 
他にもネットショップで農家さんから直接野菜を買うや観光農園に行っていちご狩りするなど、農と関わる方法は色々ある。
しかし、一過性の関わりになる可能性が高いため、今日紹介した3つの方法の方が継続しやすいと考える。
 
とはいいつつも、外出するのは様子を見ながらもう少し先にしたいという方には本を読んでおくのも一案である。
そんなときには、都市農業ベンチャーで農業イベントや農園を手掛ける方が執筆した本がオススメです。  

今日は、「農」で人生を豊にする3選として、いくつか紹介しましたが、在宅で疲れている方がいらっしゃいましたら、実践頂けると嬉しいです。

今回の内容は音声でも配信しています。

stand.fm

 

今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。