農情人:農業は「創造業」~Metagri(メタグリ)実現へ~

新たな農業のカタチの実現を目指して「Metagri(メタグリ)」をキーワードに活動

有機農業の可能性とは!?~2050年までに日本全体の有機農地を25%に~

みなさんは日本の農地全体に対する有機農地の割合はどのくらいかご存知でしょうか?
先日、農林水産省は、化学肥料や農薬を使用しない有機農業の面積を2050年までに25%の100万ヘクタールまで拡大することを目標に掲げた。

有機農業を農地の25%まで拡大へ 脱炭素で2050年までに 農水省 | 環境 | NHKニュース

しかし、現状の有機農業の面積は、なんと全体の「1%」にも満たない状況である。
そんな現状から30年間で25%まで拡大することはそもそも可能なのか?

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有機農業の可能性
目次

有機農業が広まらない3つの理由

私の見解では、今まで通りの仕組みのままで進めていても到底無理だと考える。
その背景としては、有機農業は一般的に、①時間がかかり、②原価が高くなり、③収量が減るからである。
それぞれ簡単に説明する。

1.有機農地にするまで時間がかかる

有機農地」という認定を農水省から受けるには作物によっては3年間かかる。
そのため、仮に明日から有機農業を始めようと思い立っても、過去に化学肥料や農薬を使った農地の場合、転換期間が必要。
その間にできた作物は有機栽培とは認められず、付加価値もなく、一般の作物と一緒くたになってしまう。
もちろん、個人でブランド化して高付加価値作物として高単価での販売が可能であれば利益が出るかもしれない。
しかし、ブランドも有機農地と認められるまでに時間がかかるのと同様に一朝一夕にはいかない。

2.農業資材が割高で収量が減る傾向

大量生産・大量消費を支えてきた「化学肥料」や「化学農薬」は大きな貢献を果たした。なるべく短い期間に多くの収量を上げるためには、化学肥料による土壌改良は欠かせない。また、広大な畑に育つ大量の作物を、虫食いや病気から予防するためには化学農薬も必要。
作物にもよるが、この化学肥料と化学農薬が農作物の原価に占める割合は10%にも満たないことが多い。
一方で、有機資材として、天敵を使った虫対策や菌資材を使った病気対策は化学生産物と比べて割高である。
さらに、化学肥料は無機物質がほとんどのため、作物に必要な成分を安定して供給できるため収量も安定する。
一方で有機資材は、動物の排泄物を原料にするため、成分の大半が有機物質であり、どうしても成分や品質にバラつきが発生してしまう。
その結果、原価は上昇し、収量も減少してしまう。

3.手間がかかるが収量が減る傾向

有機農業を実現する中で一番の敵は、実は、虫でも病気でもなく「雑草」である。
雑草を生やしたままで栽培する農家もいるが、デメリットは、作物に必要な栄養や水分を横取りされる上に、太陽光を遮る影響がある点。
そのため、基本的には、雑草を取り除くことが求められる。
除草剤のような、化学農薬を使えば死滅させることは可能だが、有機資材で除草するアイテムは私自身知らない。
抑草資材を散布して雑草の根の成長を抑制することが可能だが、どうしても草刈りは必要になる。
そこまで手を加えて除草をしても有機栽培で生産すると、2.でも説明したように収量が減少する傾向がある。
 
以上のように、有機農業は化学物質を活用する慣行農業に比べて、あらゆる面で不利である。そのため、多くの人にとっては儲かりづらい有機農業は参入し辛く、日本においては日本全体の農地において1%にも満たない状況が続いている。
 

有機農業の可能性

では、有機農業は儲からないため永遠に普及しないのでしょうか?
答えはもちろん「No」である。

その理由は、有機栽培で儲かる農業を実現している農家も存在しており、新たな技術もどんどん出てきているからである。有機栽培の農作物に対するイメージも高まっているので仮に慣行農業の農作物と販売価格を同等レベルにまで落とすことが出来れば、市場をひっくり返す潜在能力はある。

今回はそんな潜在能力を体現したような、「ムスカ」と「ふしちゃんファーム」という2つの会社を紹介する。

ハエが技術革新の切り札

みなさんは「ハエ」と聞いてどのようなイメージがありますか?

ハエというと、「汚い」「気持ち悪い」「病気を媒介する」などネガティブなイメージが強いのが一般的である。

そんな、「嫌われ者」のハエを活用して、有機肥料を生産するベンチャー企業を紹介。

その会社名はムスカ(MUSCA)」である。社名の由来である「ムスカ・ドメスティカ」は「イエバエ」の学名である。
当社はイエバエに命をかけて事業を創造している。

この会社の特徴はなんと言っても、45年間にもわたって1100世代以上、品種改良し続けた“最強のイエバエ”を持っている点である。

このイエバエを活用するアイデアに着目したのは旧ソ連であり、起源は今から半世紀前に遡る。
国家プロジェクトとして、宇宙船内でのバイオリサイクルにハエを活用する技術開発であった。宇宙船内で宇宙飛行士の排泄物をハエが分解して資源に変えることにより、循環する仕組みの構築に挑戦。
しかし、そんな夢のある研究はソ連崩壊により頓挫してしまう。
その技術に目を付けたある日本人が権利を買い取り、1990年から日本国内での研究に繋げる。
そこから品種改良を繰り返し続けて、2016年にようやく量産化の目途が付いたため遂に事業化に踏み出す。

ハエの分解スピードは超高速で「飼料」と「肥料」が生産される

技術のポイントは、牛や豚のような畜産の排泄物をハエの幼虫が食糧として物凄いスピードで分解して、ハエの幼虫の排泄物が肥料になる。
さらに驚きなのは、大きくなった幼虫は飼料として魚や畜産の餌になるという何とも循環型社会を体現したような仕組みである。

現在、ムスカは事業化に向けた実験段階のため、スケール化はこれからである。
数年以内には、イエバエ工場の畜産地域に建設していき、排泄物を有機肥料に変える仕組みをどんどん構築していくことが予想できる。
すると、有機肥料のコスト低下にも繋がり、有機農地の土づくりを加速化させる可能性を秘めている。

冷蔵設備への積極投資による在庫コントロールがカギ

次に「ふしちゃんファーム」という茨城県有機農業を行う2015年に設立された会社を紹介する。
この会社は、こまつなやほうれん草など6種類の葉物を1ヘクタール規模のハウスで栽培している。
実は、この会社はコロナ禍や悪天候ももろともせず、売上を堅調に伸ばしている注目すべき会社である。
就農3年目は3000万円の売上が、6年目になる2020年には、なんと売上8000万円まで伸ばして1億円までもう少しのところまできている。
なぜ儲かり辛い有機農業において、逆境をもろともせず右肩上がりの成長を実現しているのか?
それは、栽培作物の鮮度保持のための冷蔵設備に積極的な投資をしていることにある。
冷蔵設備を導入した結果、収穫後3週間、鮮度を保つことができて、販路先をじっくり選定することが可能。
一般的に、葉物野菜は収穫後3日も経てば、萎れてしまうため売り物にならない。
そんな常識を大きく打ち破り、鮮度を維持する設備を自社で持つことで、コロナ禍で激減した外食チェーンや給食への出荷を、ECのような直販やスーパーのような小売店に機動的に切り替えた。
その結果、売上の単価を向上させて、窮地を乗り越えた。
有機農業を推進するためには、原価がかかり、収量が減る傾向のある農作物の鮮度を維持させて、売れ残りを減らす工夫がかなり重要である。

有機農業は工夫次第で儲けることは可能で伸びしろは大きい

もちろん、今まで通りの仕組みのままで、全てを農家に任せて農業を推進しても有機農業は普及しない。
というのも、今回紹介した2社もそうだが、新たなことを始めるにはどうしても投資が大きくかかってしまう。
農水省としても、「2050年までに25%の100万ヘクタールまで拡大すること」を目標に掲げたからには可能性のある技術や設備への積極支援は不可欠。
恐らく、目標を掲げたからには、今までとは比べ物にならない予算は取ることは予想できるため、これからの有機農業に可能性は感じている。

農業コンサルとしてできること

今回紹介した企業以外にも数多くの企業が新たな技術やサービスを手掛け始めている。
私自身、農業コンサルとして活動しているため、有機農業参入のお問い合わせを頂くこともこれから増えてくることを予想している。
今のうちからできることとして、ITや新技術で有機農業の仕組みを作れる企業と繋がり協業できる体制づくりを進めていく。
有機農業×IT×コンサル」の肩書を持てるよう、引き続き、情報発信を続けていきますので、応援頂けると幸いです。
 
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

【知ってトクする】これから独立する人へ!家から動かず営業できる時代

今回、私自身がコロナ禍をきっかけに独立して、人と繋がる際に重宝しているオンラインのサービスを紹介。これから独立する方や、独立したばかりの方にとって有益な情報となると思うので一読頂けると幸いです。 

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これからの独立する方は必見!


目次

 

オススメサービスまとめ

今回は大きく下記の3つのカテゴリで紹介する。

  1. ビジネス用マッチングアプリ
  2. 公募サービス
  3. 音声メディア

まずは、一つ目から順番に説明していく。

 

1.ビジネス用マッチングアプリ

まず紹介するのはビジネス用マッチングアプリである。

マッチングアプリと言えば、恋人探しの分野で有名なPairs(ペアーズ)が頭に浮かぶ方多いと思うが、現在は様々な領域に派生している。

そこで、ビジネス用マッチングアプリとしてオススメのサービスであるバーチャルランチクラブ(VLC)とYentaを紹介する。

特に、VLCは、5000人規模の会員がいるプラットフォームで、条件を入れてキーワードに引っかかる人と繋がりを申請できる。

バーチャルランチクラブ - いつか一緒に仕事できるかもしれない人とオンラインで15分だけ話してみよう

このサービスの特徴は、お互い申請を承認しあえば、VLCが提供する独自のテレビ会議システムで会話ができる。

私自身、このツールをもとに、現在立ち上げているIT農人(イートノート)に関わって頂けるメンバーと繋がることができた。

villagehunter.hatenablog.com

 

その方はデザイナーとしてフリーランスで活動されている方で、空間デザインを得意としている。

そのため、その方にはIT農人で新規でスタートする、「ミドリターン」という移住・就農支援サービスの一環で空き家のモデルルーム化で関わって頂く予定である。

 

2.公募サービス

次に紹介するのは、bosyu.meやZeroneという自由な公募により共感者を募るサービスである。公募サービスの利点は、無料で公募をかけて、興味のある人を募ることができるところ。

特に、「Zerone」というサービスは最近リリースされたサービスであり、新サービスの仮説検証としてもかなり有用である。zerone.cc

prtimes.jp

 

今回、私自身、移住・就農を考えている人を募集した。

その結果、既に地方に移住している方と繋がることができた。

その方は、山の売買をきっかけに昨年、地方にIターンで移り住んだという経験を持つ方であった。

Iターン経験者、かつ、会社経営をされているということもあり、知識の幅が広く普通では聞くことのできないお話をたっぷりと聞くことができた。

新たなサービスの立ち上げのメンバー探しや潜在顧客へのヒアリングには公募サービスもオススメである。

 

3.音声メディア

最後に紹介するのは、言わずと知れたClubhouseやStand.fmという音声メディア。

音声メディアの利点は気軽に配信をすることで思わぬ出会いを得られる点である。

私自身、毎週火曜日にClubhouseにて「スマートファーマー」というルームでモデレーターとして参加している。

継続しているおかげで、現在では日本全国のアンテナの高い農家さんと繋がっている。

最近では愛知のトウモロコシ農家や埼玉の元イチゴ農家やベトナムで新規で農業事業を立ち上げている方と繋がる。

特に、愛知のトウモロコシ農家さんに対してはシステム提案をした。

システム提案の背景には、直売所から送られてくるデータ管理を自動化したいというニーズがあった。

というのも、直売所から送られてくる情報は時間帯ごとの売れ行きデータだけであり、在庫数が全く見えない。そのため、簡単なシステム構築により、直売所における在庫の見える化を実現する。

現在はテスト開発ということもあり、システムを作ったお礼として、アスパラガスやソラマメを頂くことになる。

 

家で人と繋がれる時代

お気づきかもしれないが、今回紹介したサービスはどれも在宅で人と繋がるきっかけを作るサービスである。

コロナ禍の影響もあり、家に居ながら新たな人と繋がることができる時代はとてもありがたい。

もちろん、オンラインだけだと、希薄な関係に陥るリスクがあるので、タイミングを見計らってオフラインで会う機会も作り、関係を強めることは必要である。

ぜひ、これから独立する、もしくは独立したばかりの方は今回のサービスを試しに使ってみて欲しいと思う。

使い続けていくと新たな出会いが見つかることを保証します。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

【新サービス】Farm-Codawary(ファームコダワリー)~こだわりの一品を限定的に販売するプラットフォーム~

Farm-Codawary(ファームコダワリー)は今のところ世の中に存在しない言葉です。

今回は、そんな新たな言葉が世に出る前に、サービスの紹介をします。

最後まで読んで頂いた方には特別な特典がありますので楽しみにしていてください。 

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ファームコダワリー

目次

 

Farm-Codawary(ファームコダワリー)とは?

Farm-Codawaryとは、「こだわり」と併せて次の3つの言葉が混ざり合った、「農家のこだわりの一品」を限定的に販売するプラットフォームである。

  1. ファームワイナリー
  2. デリバリー
  3. ファミリー

まずは、一つ目から順番に説明していく。

1.ファームワイナリー

一つ目はファームワイナリーとして、小規模で高品質のものを熟成させているというブランド化を意識している。
ファームワイナリーとは、米国において農場が敷地内でワインを製造・販売することを許可したワイナリーライセンスである。

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生産から醸造まで

そのため、農場内でワイン原料の果実を生産し、ワインの醸造まで手掛ける。

私がマンゴーの木を植樹している、カンボジアの農場でも同様の取り組みで、生産したマンゴーを農場内でワインを醸造している。

villagehunter.hatenablog.com

このように、小ロットだが高品質な商品を扱うという目標を掲げて「ファームワイナリーに」を軸に名称を作った。 

2.デリバリー

2つ目はデリバリーとして、産地直送であるため、農家さんから各家庭へ直送し新鮮なものを提供。 

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生産地から最高品質でお届け!


農産物のおいしさ4大要素は「鮮度・旬・栽培・品種」である。

野菜の味を決める7つの要素 | 松本自然農園

そのため、Farm-Codawaryでは、栽培にこだわりを持って作った旬の農作物を採れたてすぐに直送する。
それが、ぜいたくな味わいに繋がり、食べる方々の感動を呼ぶ。

3.ファミリー

最後の3つ目はファミリーとして、家族経営のような中小規模の農家さんに限定して商品を扱う。

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家族の贈りもの

中小規模の農家さんに限定しているかは、過去にも言及したが、「農作物の多様性や持続可能性」を実現するためである。

villagehunter.hatenablog.com

それは、生産地に住居を構える家族経営の農家さんは後続の世代まで考えて農業に従事していることにある。小規模でありながらも土地を使い捨てるという考えではなく、長期的に持続できるように努力していると考える。
持続可能性を追及するために、土壌のバランスを考えて、複数の作物を輪作する農家さんが理想である。

 

こんな「こだわりの一品」を提供頂く農家さんに報いるために、IT農人(イートノート)という法人では、購入者は”紹介制度”で開拓していく。

この”紹介制度”の背景には、農家さんの中には直接販売する場合、「知らない人に売るのはリスクがあって怖い」という方がいるためである。

また、小規模のため出品する農産物の出荷量も限られているため、たくさんの注文には耐えきれないということも背景にある。

「Farm-Codawary」では、農家さんが安心して出品でき、無理な生産をしなくても持続できる仕組みを構築する。理想的には、一度食べて頂いた購入者が大切な家族や友人のために購入してプレゼント頂けるような流れも作っていく。

初期段階では、”麻薬トマト”として美味しすぎて市販トマトが食べられなくなるトマトや、食べてすぐに甘みが口の中に広がるトウモロコシや、鮮度が命のイチジクを販売予定。

農家さんにとっての売上は微々たるものかもしれないが、市場出荷では得られない、購入者からの感動や感謝の声が直接聞ける場に育て上げていく。

リリースはまた、ブログでも紹介しますので期待して頂けると嬉しいです。

 

 最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

特典

今回、特別に下記に応募頂いた方には「Farm-Codawary」で扱う、第1弾の商品を購入する権利をプレゼントします。

Farm-Codawaryで扱って欲しい商品やサービスがあれば、全力で探してくるので教えて頂けると幸いです。

airtable.com

【新サービス】「イナカエル」~もう都会にいる理由が見えない!?田舎に帰って蘇り、日本を変える!~

「イナカエル」という、移住・就農支援サービスを立ち上げるために、近々、山口県宇部市にて半住スタートを予定。

そこで、今回は、「イナカエル~もう都会にいる理由が見えない!?田舎に帰って蘇り、日本を変える!~」をテーマにどのようなサービスを始めるか綴る。

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田舎へ飛び込む、イナカエル

目次

 

イナカエルとは?

イナカエルには田舎へ帰る以外にも3つの意味を含んでいる。

  1. 田舎から日本を変える
  2. 第2の人生として田舎で蘇る
  3. 田舎の方々がひっくり返る

まずは、一つ目から順番に説明していく。

1.田舎から日本を変える

今回の事業の着想は、先週3月23日~25日に山口県宇部市に弾丸ツアーで訪問したことがきっかけ。
そのツアーをとおして、首都圏では出会えないような自身の住む地域を変えたいという、ベンチャースピリットを持った熱い想いを持つ方々にお会いした。
その方々の力を終結させれば、田舎から日本に良い影響を与えられると考えた。
そのため、「イナカエル」を通して、首都圏にいる方々も巻き込んで、事業を推進したい。

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ベンチャースピリットを持つ方々

2.第2の人生として田舎で蘇る

首都圏から田舎へ移住を促すだけでなく、就農支援はもちろん、リモートで実現できる仕事を紹介していく。
というのも、移住1年目で農業からの収入だけに頼ることはリスクが高すぎると考える。そのため、リモートワークを前提として、企業からの仕事をこなしながら、農業も小さく始めるというモデルを描く。
理想的な状態は、田舎であっても複数の収入源を持つことにより、首都圏よりも可処分所得が増える仕組みを作ること。

田舎でやりたいことを追及しながら、生きるうえで本来のあるべき姿を実現できる第2の人生を提供する。

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田舎の不便さが魅力

3.田舎の方々がひっくり返る 

首都圏から田舎に移住するにあたり、一番気になるのは田舎の方々との関係性である。
ムラ社会であればあるほど、田舎の方々の警戒心は強い。
そのため、「イナカエル」では移住者と田舎の方々のハブのような存在となるべく、田舎の方々が驚くようなサービスを提供することで関係を事前に作り上げる。
例えば、地域で力を上げている農産物をネットを通じてPRしたり、高級レストランへ導入支援することでブランディングを代行する。
そのブランディング代行業を移住希望者と共に手掛けることができれば、一緒に信用を積み上げることが可能となる。
今まで不可能と考えられていたことを実現し、田舎の方々がひっくり返るくらいの実績を作ることが目標である。
信用を積み上げて「イナカエル」に対して、尊敬の念を抱くまでに発展させることができれば、移住してくる方々もすんなりと受け入れてもらえると考える。

 

まずは自分が「半住」で事業モデルを創り上げる

このような「イナカエル」という事業を作り上げるためには、まずは自分自身が田舎で移住生活を体現する必要がある。
そのために、近々、軸足を宇部市に移そうと考えている。
自身が半住を実現するまでの過程はもちろん、移住後の生活もコンテンツにしていく。

 

とは言いつつも、既に、移住や就農支援サービスを提供する事業は数多く存在する。
そのため、次回は既存のサービスとどう差別化して、「イナカエル」独自の価値を提供するか綴る。


今回も最後まで読んで頂きありがとうございます!

有機?無農薬?どんな食べ物を選べば健康になれるのか?

「無農薬は商品のラベルに記載してはいけない?」

じつは”無農薬”と記載することは、農水省ガイドラインではNGである。
一方でスーパーの店頭には色んな趣向を凝らした表示が乱立している。
では、どのような農作物を選べば、安全に健康になれるのかを綴りたいと思う。
農業や農産物には唯一の正解はないため、何を選ぶかは作り手の価値観をどこまで信じているか次第。
 

そもそも、自然栽培や有機栽培ってなに?

スーパーに行くと、JAS認定(有機栽培)や自然栽培や栽培期間農薬不使用などたくさんの表示がある。

これらの中で生産観点から一番難しいのは肥料・農薬を使わない「自然栽培」である。
次に、有機栽培の証明であるJAS認定を取得するためには、菜種油から作った農薬のような特定の有機資材の使用に限定されている。
栽培の定義はあるものの、常に検査をするわけではないため、正直、その表示の根拠や正しさを100%証明するのは不可能に近い。
私自身、植物工場野菜をつくるの事業に携わっていたときに、パッケージのデザインや文言を企画していた。
どうすれば、お客様に刺さるPRを表現できるかという視点でデザインしていた。
PRの一つとして「栽培期間農薬不使用」という文言で農薬を使っていないこと強調。
「無農薬」と記載することは、農水省ガイドラインではNGのため、栽培期間は農薬を使っていないという文言にとどめていた。
たとえ、栽培期間に農薬を使っていないとしても、種の生産に農薬を使っている可能性や、栽培で使う水に農薬が含まれている可能性がある。そのため、栽培期間内外問わず、農薬が混じるあらゆる可能性が拭いきれないため「無農薬」という文言は使用できない。
一方で、植物工場野菜を育てるために、化学肥料を使っていたことは敢えて記載していなかった。もちろん安全性が認められている肥料を使っていたが、「化学肥料」と書いてしまうと人によっては”危ない”というイメージを持つ可能性を感じたからである。
実は、水耕栽培で農産物を大量生産するにはどうしても「化学肥料」が必要となる。
 

では、どのように農作物を選べば、安全なのか?

どこまで「生産者」のことを知っているか、どこまで自分から一次情報を取りに行っているか次第である。
「最新医学でわかった新健康常識 」という著書にも記載があるが、有機栽培の食べ物は必ずしも健康にいいとは証明しきれないのが現実。
 もちろん、有機栽培の農産物の安全性は高いかもしれないが、「食べて健康になった」という証明がほとんど存在していない。

 

仮にスーパーで野菜を買う場合、有機栽培や特別栽培と書かれている農産物の生産者のことをどこまで知っているだろうか?

直売所コーナーであれば、農家さんの名前や写真があるかもしれない。しかし、売場にある情報は非常に限られている。

私が手掛けていた植物工場野菜もそうだが、スーパーにある情報は他の商品との差別化のために良いことを書きがちである。
手間ではあるが、自分から一次情報を取りに行く行動を起こさないことには何が良いかは判断できない。
 

これからの時代は”ファン”との繋がりがさらに重要

農産物の選択にあたって”ファン”が重要にはキーワードになると考えている。
著書「ファンベース」によると、”ファン”とは野菜や製品やサービスを作る人の価値観を支持する人たちであると定義。
 

 

私は納豆とマヌカハニーのファン

私の場合、「納豆」や「マヌカハニー」は特定の生産者から購入している。それぞれ毎月5,000円、年間で12万円程度購入している。そして、毎日のルーティンでその二つを組み合わせて食べている。 
納豆との出会い
それは既に3年前のことである。ファーマーズマーケットで販売している岡田さんのお話で豆の生産へのこだわりはもちろん、納豆菌を厳選して時間をかけてゆっくり発酵しているというところに共感。そこから通販で毎月取り寄せている。 
マヌカハニーとの出会い
マヌカハニーとはニュージーランドの植物「マヌカ」の木に咲く花から採れる蜜だけ使用しているものである。効能として、悪玉菌に対する殺菌効果に優れており、喉の痛みや風邪予防に最適である。
しかし、「マヌカハニー」とネットで調べると様々なメーカーや商社のサイトがある。私自身、直接現場に行って生産を見たわけではないが、「マヌカヘルス社」の商品を愛用している。なぜなら、持続可能性と安全性を追求するために、厳しい定期検査を実施しているからである。例えば、グリホサートという除草剤に含まれる成分は蜂の大量死に繋がる。そのため、そのような成分が含まれていないかをしっかり調べている。それは蜂蜜の生産だけでなく、生産地における生態系のバランス維持にとっても非常に有効な検査である。

納豆もはちみつも、単価が一般的な商品と比べて5倍以上と高いが、ストーリーや効能に惹かれているため乗り換えるという発想は今のところない。
 

何を選ぶかは何をどこまで信じるか

健康な食を手に入れるためには、自分が納得行くまで情報を集めて考えて購入に繋げる必要がある。当たり前の「健康」を長期間維持するためには努力が不可欠。
手軽な行動として、「近所の直売所で農家さんから買う」ことや「農作業のお手伝いをする」がおすすめである。

villagehunter.hatenablog.com

  

生産者にとってもファンは重要なキーワード

「儲かる」という漢字は「信じる者」と書くことから、どれだけ顧客から信用を得るかが生産者にとっても重要である。
パレートの法則(2:8の法則)として、売り上げの8割は2割のファンが支えていることがデータで裏付けされている。

著書「ファンベース」では、カゴメさんの事例が紹介されており、主力製品であるトマトジュースは上位2.5%のコアファンが一人当たり年間8万円も購入している。なんと、売り上げの30~40%もコアファンが占めているという事実。
さらに、ファンを大事にすることで、口コミを通じて自然にその価値が広がっていき、売り上げの増加に貢献する。
新規の顧客獲得のために広告宣伝費をかけるよりも、2割のファンを笑顔にすることが持続可能な事業に繋がる。 

まずはリピーターを大切にする

ファンとの関係強化のために顧客リストを見直すことが一番の近道であると考える。直売所やECのような直販でリピートして何度も買ってくれている人は潜在的なファンである可能性が高い。メールやSNSで繋がるきっかけを作れば喜んで惹かれている点を教えてくれるかもしれない。そして、自身が気付けていない価値観があればそれを磨くだけで、さらなるファン作りに繋がる。
また、圃場でイベントを開催すれば、ファンであれば自腹で駆けつけてくれる。そこで、ファン同士の愛する気持ちをぶつけ合う場を提供すると横のつながりも強化され立派なファンクラブになる。

 

法人立ち上げもファンがカギ

現在、私自身が立ち上げを準備している会社「IT農人(イートノート)」では、既に関わるメンバー12人がファンの一員として活動してくれている。

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各メンバーはレシピ作りをしたり、Clubhouseで活動の宣伝したり、新たなメンバーを探したり、農業用システムを作ったり、こだわって作ったトマトを惜しみなく配ったり、皆が自身の得意分野を生かして活動している。
まだ法人でもなく、マネタイズさえもできていないのに、そこまで楽しく関わってもらえているのは、価値観※に共感してもらえていることが大きい。

※「良い人たちとの関係を大切にして、健康に生きるために良質な食事を食べることを分ちあう世界をつくる。」

 

私自身もファン作りを大切にして、新たな事業構築に取り組みたい。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

音声でも配信しています。

stand.fm

 

【番外編】今日はバレンタイン!トマチョコレシピでヘルシースイーツはいかがですか?

「トマトとチョコを掛け合わせるとどうなるんだろう?」
そんな疑問からレシピ開発が始まった。

今回、山口県宇部市で環境モニタリングシステムを導入し、持続可能な農法に取り組む三浦農園のトマトを扱う。
そして、レシピ開発頂いたのはおもてなし料理研究家として活躍される幕内明日香さん。
https://www.instagram.com/asuka_makuuchi

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今日はバレンタイン!
他とはチョット違うヘルシーのトマチョコレシピで大事な人のプレゼントづくりはいかが?

「トマトとホワイトチョコのムース」

デザートというよりは、前菜にオススメの一品。
ゼラチンではなく、本葛粉を使った、カラダに優しいムース。

【材料(2人分)】
・トマト 1個
・トマトピューレ 1/2カップ
・ホワイトチョコ 50g
・生クリーム 50cc
・本葛粉 10g
・豆乳 1/2カップ
・塩 適量

【作り方】
1. 湯向きしたトマトを角切りにカットする。
2. 1のトマトとトマトピューレ、生クリーム、塩を鍋に入れ、火にかけ、とろみがついてきたら、ホワイトチョコを入れ溶かす。
3. 豆乳でよく溶かした本葛粉を2に入れ、ダマにならないようによく混ぜ、とろみがついてきたら火を止め、耐熱グラスに流し入れる。
4. 冷蔵庫で2時間以上、冷やす。
5. フォームした豆乳(分量外)を4の上に流し入れ、完成。

「トマチョコとピスタチオでマンディアン」

チョコの甘さにトマトの酸味が絶妙なバランス!
チョット塩味も加えるので、ピスタチオ香るおつまみトマチョコに。


【材料(2枚分)】
・トマト 2個
・ピスタチオ 15粒
・ホワイトチョコ 150g
・塩 適量

【作り方】
(下準備) ドライトマトを作る。
1. トマトは洗ってヘタを取り、縦1/3に切り、スプーンで種を取り除いて、キッチンペー
パーに切り口を下にして置き、表面の水分を取る。
2. 天板にオーブンシートを敷き、切り口を上にして並べ、塩をまんべんなくふる。
3. 130°Cに予熱したオーブンに入れて1時間ほど焼き、1度天板をオーブンから取り出
し、トマトから出てきた水分をキッチンペーパーなどで拭き取ったら、さらに120°Cで
30分焼く。
4. 天板にのせたまま、風通しの良い場所で完全に乾かす。(セミドライくらいがおスス
メです)
1. ホワイトチョコを湯煎で溶かす(お湯の温度は60°C程度)。
2. バットに1を流し入れ、ドライトマトとカットしたピスタチオを上から散りばめる。
3. 冷蔵庫で2時間以上、冷やし固め、取り出したら完成。

コロナをきっかけに私たちの食はどうかわるのか?

「ゆるベジ」という言葉は聞かれたことがあるでしょうか?

私自身、ビーガンやベジタリアンは知っていたが、この「ゆるべジ」という言葉は「コロナ後の食と農」を読んで始めて知った。 

今回は「ゆるベジ」というキーワードをもとに、「コロナをきっかけに私たちの食はどうかわるのか?」というテーマで綴る。

 

目次

 

そもそも「ゆるベジ」とは

野菜や果物や豆類を中心とした食生活にすることで私たちの健康だけではなく、地球にとっても負荷が減る食生活を目指す取り組みである。

vegeness.com

免疫力を高めて感染症にかかりにくい身体づくりを実現できる。

とはいいつつも、「ベジタリアン」ではないので、必ずしもお肉を食べてはいけないということはない。
あくまで、牛や豚を育てるためには地球に負荷がかかりすぎるため、極力、食べ過ぎないように注意する意識が大事との考え。

 

いままでの大量生産・大量消費は重要なコストを見落としている

「ゆるべジ」の習慣はもちろん、日本では、自然栽培や有機栽培で生産した農産物はまだまだ一般的ではなく割高感が強い。

そのため、お金に余裕がある人が買うものという見方が多数を占める。

では、なぜ、自然栽培や有機栽培ではない方法で生産した農産物は安いのか? 

慣行農業ではトータルなコストが反映されていないからなのです。環境や健康への悪影響といった外部不経済の代償は社会が支払っている。*1

それは、農業によって破壊される地球環境のコストが反映されてい無いためである。
例えば、広大な土地でレタスのような単一作物を作るために、農薬散布車で農薬を振りまく。

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農薬散布イメージ

その結果、たしかに、病害虫予防は実現し、広大な土地を少ない人員で管理できる。
一方で、「慣行農業」はメリットばかりではない。
農薬散布により土壌内の微生物まで殺してしまいバランスが崩れるため、環境保全や持続可能性の観点からは大きなデメリットである。
そんなデメリットはスーパーの店頭価格に反映できないため、最終価格は安く抑えることができる。
では、そんな見えないコストは誰が負担しているのでしょうか?
それは「我々の子どもの世代」であり、未来に残す借金と言っても過言ではない。


30年前から未来からの借金返済に取り組む企業

ここで「らでぃっしゅぼーや」という企業を「社会起業家が〈農〉を変える」という本をもとに紹介する。


現在、OISIXと統合して「オイシックス・ラ・大地」という社名で活動している。
実は、「らでぃっしゅぼーや」が発足したのは30年ほど前に遡る。

創業者が「大量消費と大量廃棄」に疑問を持ったことが創業の背景にある。
社名の「らでぃっしゅ」は日本語で二十日大根を意味しており、荒れ地でもよく育つ強い生命力を持つ。
また、「RADIX(ラディックス)はものごとの根源を意味するラテン語でもある。
そして「ぼーや」は子どもたちであり、次世代を意味している。
そのため、社名にはものごとの根源である人間や動植物や自然環境を、どんなことがあっても未来へ繋げていくという強い気持ちが込められている。
SDGsへも積極的に取り組んでおり、17の目標のうち9つの目標を目指して、野菜販売や加工事業に取り組んでいる。


時代は確実に変わりつつある

新型コロナをきっかけに、多くの方々が健康や食への意識を高めているように感じる。それは、食べチョクやポケットマルシェのような農家さんから直接買うサービスの売り上げが急増していることからも読み取れる。
家で食事をする機会が増えて外食が減った結果、少しずつ、食材にこだわる方が増えているのかもしれない。

もちろん、農家さんから直接買うサービスは、各個人宅へ農家さんが配送する必要があるため手間がかかる点は課題である。
とはいいつつも、長期的に地球の健康を維持する環境負荷の低い食材を購入する人が増えているという点はポジティブである。

 

新型コロナは地産地消のリハーサル?

コロナウイルスの危機は、すべての人々が栄養価が高い食べ物を手にできるローカルなフードシステムに向けた大きな国際的な取り組みのリハーサルにすぎない*2 

環境負荷の低い食材を買うだけでなく、自身で農産物を育てる方が増えていることも追い風である。

実際、近所で私自身が借りている「シェア畑」は昨年から定員が埋まっている。
特に、2020年4月に緊急事態宣言が発令されてからシェア畑の申し込みの問い合わせが急増したとのこと。
もちろん、在宅続きの中、自然に癒しを求める方も多くいると想像できるが、食料を自給するニーズも高まっていると言える。


この追い風に乗ることが重要

私自身、現在、「IT農人(イートノート)」という会社の立ち上げに取り掛かっている。現在、既に12人のメンバーとともに、”IT”と”脳”を駆使して、"農人"(持続可能な方法で生産に取り組む農家さん)をサポートしている。 

直近では、スーパーや直売所には出荷できない、規格外野菜の販売システムの導入を進めている。
ECで販売するとどうしてもサイト構築や販売手数料はもちろん管理の手間が発生する。
そのため、ECサイト構築に二の足を踏む小規模農家さんは数多くいらっしゃる。
IT農人のメンバーではそんな課題を解決するため、「Airtable」という無料のノーコードツールを活用して、シンプルなシステム構築に取り組む。 

airtable.com

また、システム開発と並行して、メンバーのトマト農家さんのブランディングのために、バレンタイン企画でおもてなし料理研究家とコラボしてトマチョコレシピを開発。

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トマチョコレシピのご紹介

時代の変化は大きなビジネスチャンスと捉えて、メンバーで楽しみながら、様々な形で関わる人々が”濃い”人生を送ることを実現したい。

 

今回の内容は音声でも配信しています。

stand.fm

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。 

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